咲き方ですが。花びら(外花被および内花被)の開き方で区分があります。
菖蒲を細かく見るようになるまで、個人的な菖蒲の花びらの印象は、ダックスフントの耳のように垂れたものでした。たらーんとして、風が吹くとひらひら花びらが波打つ感じですね。
この咲き方を「垂れ咲き」と呼びます。
「業平」花被が六枚の六英花ですが、もちろん、三英にも垂れ咲きする品種はたくさんあります。
菖蒲の写真を撮っていて思ったのは、花と同じ高さの目線か、若干高いくらいで撮る場合は「垂れ咲き」の方が映えるような気がします。
「垂れ咲き」に対して、ほぼ横か斜め下くらいに花びらが開くのは「平咲き」。
横から撮ると微妙な模様を楽しめないので、上から眺めるような目線からの方が映えます。
ちなみに、上の「加茂千歳」花びら周辺の紫が「覆輪」かと思っていたら、「覆輪」はもっと境界線が明確なものを指すようで、こういうのは「ぼかし」というのだそうです。グラデーションがきいた色の変化といったところでしょうか。
珍しい咲き方としては、「玉咲き」「爪咲き」というのがあります。
つぼみが若干開いた形を保ったまま開花が完了します。玉のようにふくれた状態が「玉咲き」、少し割れてまさに爪を立てたようになっているのが文字通り「爪咲き」です。
これらの咲き方の品種は「鷹」とか「竜」とかが名前の一部に爪に特徴のある生き物があるものが多いようです。
これ以外に「受け咲き」という花びらが上を向いた形で咲く品種や、平咲きと垂れ咲きの中間みたいなものもあります。
この項では長々と花の特徴を示す用語をお伝えしてきました。実際に菖蒲を見る際に、花びらの数や、模様など、思い出していただければ幸いです。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。