小田急の駅名にもなっている「豪徳寺」で、駅を降りると「招き猫」が迎えてくれます。招き猫については、また別の機会に取り上げたいと思います。
最寄りの駅はというと、東急世田谷線で「山ノ下」から一駅のところにある「宮の坂」駅です。宮の坂駅前に電車の車両が置かれていました。過去に世田谷線を走っていた車両であることは容易に想像できますが、それだけでなく江ノ島電鉄でも使用されていたとのこと。何となく郷愁を誘います。
宮の坂駅をはさんで東に行くと世田谷城址公園と豪徳寺が、西に行くと世田谷八幡宮があります。豪徳寺は招き猫の伝説と井伊家の菩提寺として知られています。
豪徳寺のあたりが吉良氏の居館で、世田谷城の本丸だったと考えられています。14世紀後半にこの地を与えられ、15世紀の初めごろには居館としてあったようで、最初は城塞という性格のものではなかったのでしょう。しかし、戦乱の世の流れに、この館も次第に城として整備されていきます。
戦国時代、16世紀中頃の当主である頼康は北条氏綱の娘を正室としています。後北条氏と姻戚関係にあったわけですね。豪徳寺の周囲には、古戦場の史跡は見当たらず、世田谷城も豊臣秀吉による小田原征伐の時に接収され、そのまま廃城となったようです。