おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

世田谷たがやせ2

代官というと、水戸黄門のドラマなどで出てくる、賄賂商人と結託する悪代官を想像してしまいます。世田谷領はどうだったかは知りませんが、幕府直轄地の天領では、一般的に諸藩よりも租税が安いところが多く、評判の悪い代官はすぐに免官、つまりお役御免になったといいます。

越後屋と結託する典型的な悪代官というのはドラマの世界だけの話かもしれません。
ここの代官屋敷は、大場家の私邸が代官所を兼ねていたようで、公的な代官所とか陣屋といわれるものとは異なるようです。

f:id:tadakaka-munoh:20210426224152j:plain

代官屋敷母屋の天井

富農の古民家と変わらない佇まいですが、邸内の白州の跡などに公的な性格を遺しています。白州はよくドラマで見られる江戸町奉行のお白州と比べると、「え、こんなもんなの」というこじんまりとしたものですが、在郷の農民の訴えなど、このあたりから聴聞していたのかなぁと想像できます。

f:id:tadakaka-munoh:20210426224702j:plain

竹垣で囲われた白洲跡 「お白州」とはずいぶんイメージが異なります

代官屋敷に「世田谷区立郷土資料館」が隣接していて、吉良氏や大場氏を含めた中世以降の世田谷の様子だけでなく、石器時代からの歴史を学ぶことができます。ちなみに世田谷のボロ市は、後北条氏が世田谷新宿を設けて楽市を開いたのが起源だそうです。

代官屋敷も資料館も無料の施設なのですが、残念ながら令和3年4月25日から5月11日までの間は休館となります。

f:id:tadakaka-munoh:20210426230355j:plain

石碑が並べられた先に資料館の入口があります

もう少し世田谷近辺をご紹介していきます。