おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

えんま異なもの味なもの

ようこそのお運び厚く御礼申し上げます。上方落語に「地獄八景亡者戯」という演目があります。「金沢八景」や「近江八景」の「はっけい」ではなく「ばっけい」で、「じごくばっけいもうじゃのたわむれ」、実に1時間を超える大ネタで、上方落語らしい、音曲をふんだんに使った演目です。

あの世へ行った登場人物たちが、三途の川を渡り、閻魔大王に地獄行きの裁きを受けた四人が地獄で鬼や閻魔さまと繰り広げる騒動を描いています。

f:id:tadakaka-munoh:20210917231647j:plain

地獄図 板橋文珠院

2007年の朝ドラ「ちりとてちん」では、落語の師匠、日暮亭草若を渡瀬恒彦さんが演じ、四人の弟子たちでこの大ネタを演じるシーンは、笑いながら号泣必至という名シーンです。(第20週「立つ鳥あとを笑わす」)

さて、地獄といえば閻魔さま、京都では閻魔さまを祀る寺社というと「千本えんま堂」「六道珍皇寺」くらいですが、東京で寺社を回って思ったのは、結構な数の閻魔堂があるということです。

どれくらいあるものかと、「東京の閻魔さま」で検索してみました。すると、かつては「お江戸百閻魔」があったようですが、現在はそのうち四十四の閻魔さまが現存しているとのこと。やはり、関西より東京に多い印象は間違っていなかったようです。

四十四あるうちの四分の一くらいしか巡っていませんが、この稿ではいくつか印象に残った閻魔さまをご紹介していきたいと思います。