今回ご紹介する成子天神社は、丸ノ内線西新宿駅からすぐ。青梅街道に面して入口があり、白っぽい参道が100Mほど続く先に鳥居、楼門、本殿の赤が目立ちます。
天神さま、すなわち菅原道真公をお祀りしている神社ですので、鳥居や本殿の額には「天満宮」の文字があり、境内にも牛の像が置かれています。
創建は延喜3年(903)、主人菅原道真が大宰府で亡くなったことを聞き、嘆き悲しんだ家臣が大宰府から主人の像を持ち帰って祀ったのが始まりとされています。江戸時代には、三代将軍家光より春日局がこの周辺の地を下賜され、「天満天神社」として社殿がぞ営されました。戦災で社殿等を焼失、昭和41年の再建を経て、現在の建物は平成二十六年に造営された比較的新しいものです。赤が映えて見えるのも建物が新しいせいかもしれません。境内には七福神の石像なども祀られています。
富士塚はというと、本殿の左奥にあります。
前回の最後にご紹介したように、高さが12Mあり、ちょっとした丘のようです。新宿区内には富士塚が6つあるそうですが、これが最大とのこと。元々あった小山に、富士山の溶岩を加えて築いたもので、大正9年(1920)に作られました。富士塚は明治・大正期にも盛んに作られており、ここのもそのうちの一つです。
Wikipediaには2011年の大震災の年の9月以降は立ち入り禁止、となった、という記載がありましたが、昨年11月に訪問した際には普通に登ることができました。
高さは千駄ヶ谷富士よりずっと高く、小山の頂上に立つと、都会とは思えない不思議な気がしました。
現在も登ることができるのかどうか、神社のHPを見てみましたが、そのことには特に触れられていないようで、わからずじまいでした。が、下から眺めるだけでも、ビルの谷間にこんな小山がと、都会の喧騒を忘れさせてくれると思います。
成子天神社については以上です。次回も都内の富士塚をご紹介していきます。