これまで、身禄行者の墓がある駒込を中心として、二十三区内でも中央部分に当たる富士塚を紹介してきました。今回は千住周辺の富士塚をいくつか紹介していきます。千住七福神とも重なっている富士塚もありますので、その時に一緒に見るのもいいかもしれません。
千住で最初に紹介するのは、千住神社の富士塚です。千住神社はこの辺りに集落が形成され始めた頃に創建され、千年以上の歴史を持ちます。
千住七福神では恵比寿神を祀ります。様々な神様を合祀し、今に至っており、浅間神社もそのうちの一つです。境内の富士塚は高さ4M。
現在の富士塚は、昭和十一年に再築されたもののようで、こちらの富士塚は七月一日のみ登拝が可能とのことです。
千住神社から1.2KMほど北にいったところにある大川氷川神社、七福神では布袋尊が祀られています。
境内にある富士塚は、高さ3Mで、大川富士と呼ばれています。
案内板によると、築造は文政7年(1824)とのこと。ただ、その時期にはこの場所にあったわけでなく、川田耕地と呼ばれる場所にあり、氷川神社、稲荷神社、浅間神社が同じ場所に祀られていたそうです。それが荒川放水路の開削工事(明治四十四年開始)で大正五年にいったん今より西の地に移築、更に昭和四十三年の移築復元を経て現在に至るとのこと。「大川富士」の話、もう少し続きます。