おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

精勤・成功・聖心・成婚

塔頂に据え付けるアンテナは長さ94M、重さ110Tという巨大なものです。アンテナとして張り出す部分は上の80Mで、下の14Mは塔の中に収められます。全部で八個の部品で構成されており、それをウィンチで高さ300Mのまで持ち上げ、頭頂部の仮設鉄塔で組み立てて設置する、という工事を6日間でやりあげる、という計画でした。

部品とはいっても、一つ一つが十数Tあって、風があればワイヤーの先で部品が揺れるだけでなく、仮設鉄塔も揺れるわけですから、強風が吹くと作業がストップします。

その困難がありながらも、十月十四日にアンテナ固定作業が完了しました。

そして昭和三十三年(1958)十二月二十三日、完工式が挙行され、日本電波塔、愛称東京タワーは正式にオープンしました。工事開始からわずか十三か月、工事にかかわった人々の精勤が、この計画の成功をもたらしました。

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完成=誕生日は十二月二十三日

そしてその日は、当時の皇太子殿下、現在の平成上皇陛下の二十五歳の誕生日でもありました。この年、東京タワー完成以上に世の中がお祝いムードに沸いた出来事があります。約1ヶ月前の十一月二十七日の皇室会議において、皇太子殿下と正田美智子さんとの結婚が発表されました。ミッション系大学(聖心女子大学)出身の民間女性との自由恋愛による結婚であったことから、大きな話題となり、「ミッチー・ブーム」が巻き起こりました。

この婚約発表と、翌年四月十日に結婚式とご成婚パレードが行われる、ということで、この中継を見ようと、テレビの売り上げは飛躍的に増え、昭和三十三年の暮れ、テレビの売上は百万台を超えます。そして年明け、テレビの受信契約台数は二百万台を突破するのでした。