ご成婚・パレードが行われた昭和三十四年(1959)は、昭和三十六年(1961)まで続く「岩戸景気」の最初の時期で、白黒テレビが爆発的に売れた他、電気冷蔵庫、電気洗濯機と併せて「三種の神器」と呼ばれた家庭用電気機器が日本全国に普及しました。
(「三種の神器」については「テレ日是好日2」で昭和館の写真を紹介しています)
この時期の家庭の居間の様子を伝える展示が、都営新宿線「東大島」駅から南に五分ほど歩いた「中川船番所資料館」にありました。
この資料館、メインは江戸時代の舟運の要として、この地に置かれていた「中川船番所」とその周辺の様子をジオラマで再現しています。
企画展示として、江東区の区民から寄贈された家具や電気製品で昭和の暮らしを再現しているのですが、訪れたときは、ちょうど昭和三十年台の暮らしの展示でした。
白黒テレビの上にラジオが置かれている他、黒電話にちゃぶ台、振り子式の柱時計など、この頃を描いたドラマでは必ずといっていいほど表現される、「昔の日本のお茶の間」が再現されています。
そして、そのテレビでエンドレスで流されている2つのニュースのうち、一つの題名は・・・
当日のテレビ放映スケジュールは、前回ご紹介した通り、先行したテレビ局三社は、一日中成婚・パレードを報道していて(この年開局の二局の放送スケジュールは手元に資料がありません)、テレビを点けている以上、必ず一度はこの報道を目にしたことでしょう。
今とは違い、当時は一人っ子の家庭の方が少なく、二~三人子供がいる家が普通でしたし、三世帯同居という家庭も珍しいものではありませんでした。平均すると一世帯五人程度に加え、テレビの無い近所の人が二人見に来ていたことも考え合わせると・・・
テレビ受信世帯(200万台超)×7人=1400万人 という計算になります。街頭テレビなどで見た人を考慮すると、「テレビ中継を見た人が1,500万人に上った」というのはうなずける数字です。