ヤバい系、というとなんだか物騒にきこえますが、漢字では「野梅系」。梅には、花を観賞することを目的とした「花梅」と、実を収穫することが目的の「実梅」に分けられますが、その実梅を「野梅系」「緋梅系(ひばいけい)」「豊後系」の三つの系列に分けています。
スマホ内に梅の写真は結構あるものの、分類してご紹介できるようなものがないので、ここでは花梅の三系九性分類を判り易く紹介しているサイトをご紹介します。
これまで拝見した梅林の中で梅の品種説明に親切さが感じられたのは「府中市郷土の森公園」の梅林です。
「品種名」と「分類系列」「花の色」「花の形(一重・八重)」が記載されていて見やすい案内です。ちなみにこの「白加賀」は花も楽しめますが、「実梅」に分類されている品種です。
さて、梅の中でも有名なのは、太宰府天満宮の神木としても知られる「飛梅」です。残念ながら太宰府天満宮に行ったことはあるものの、梅の季節でなかったため、手元に写真がありません。本殿前にある梅の古木で、樹齢は1000年を越えるといわれています。
京都の朝廷内の政争に敗れた菅原道真が太宰権帥に左遷される際に、邸宅内の梅・桜・松の樹との別れを惜しみます。その際、梅の木に対して詠んだのが、有名な
東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
春が来て東風が吹いたら、かぐわしい香りを送っておくれ梅の花よ
主人がいないからといって春が来たことを忘れるのではないよ
です。邸宅内の樹木のうち、桜は主人がいなくなったことを悲しみ、悲しみのあまり葉を落とし、ついには枯れてしまいます。松と梅は主人である道真の後を追って空を飛んでいきます。松は途中の須磨のあたりに降り立ち、そこに根付いたことから、その地は後に「飛松岡」と呼ばれたといいます。一方梅は一夜のうちに道真の暮らす大宰府まで飛んでゆき、その地に降り立ったのがこの「飛梅」だといわれています。