おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

梅を天に任せる

湯島天神の最寄り駅は、地下鉄千代田線の「湯島」ですが、JR「御徒町」からも徒歩圏にあります。

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湯島天神 お参りされる方が絶えません

社伝によると、雄略天皇二年(458)一月 勅命により創建と伝えられ、天之手力雄命(あまのたじからおのみこと)を奉斎したのがはじまりとされています。天之手力雄命「腕力に優れた神様」で、天岩戸(あまのいわと)をこじ開けて天照大神を外に引き出した神様ですから、どちらかというと、文というより武の神様ですね。

時代が下がった正平十年(1355)にこの地の民が道真公の遺徳を慕い、勧請・お祀りました。それを文明十年(1478)に太田道灌が再建、家康入府の天正十八年(1590)以降に、徳川家より朱印地を賜って崇敬を受けました。

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湯島天神の銅鳥居

表(南側)にある鳥居は銅製で、寛文七年(1667)同八年の刻銘があり、徳川四代将軍家綱が将軍の時期に寄進されたものです。都内の現存する貴重な鋳造鳥居として、東京都指定有形文化財に指定されています。

南に1KM足らずのところに湯島聖堂昌平坂学問所があり、その位置関係からも多くの学者・文人が訪れ崇敬を集めてきました。いつ訪れても参拝客で混みあっている印象ですが、特に二月~三月は受験の季節と梅の季節とが相まって更に多くの人で賑わっています。最初にここを訪れた際に驚かされたのが、本殿の周囲に掛けられた絵馬の量でした。どんな風に掛けるとこんな感じになるのか想像がつきませんが、「さすが東京、絵馬の数が違う」と強烈な印象を受けたのを覚えています。

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二月中旬でこの状態 三月には更に数が増えて盛り上がります

さて、本題の梅について。境内に梅園が二か所あって、境内全体で約三百本の梅が植えられています。うち八割は白梅だそうです。

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湯島天神の白梅 これは「月影」という品種とのこと 令和四年二月十九日現在

神社HP今年(令和四年)は例年になく開花が遅く、見頃は三月上旬から中旬になりそう、とのこと。

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梅園(日本庭園側)の白梅と紅梅

さて、湯島天神の境内を舞台にした落語が今も高座で演じられており、次回からこの落語「宿屋の富」と、江戸時代の湯島天神のイベントについてご紹介していきます。