おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

花の命は身近くて5

東京都内ではないですが、江戸川を渡ってすぐ隣の市川市真間に弘法寺(ぐほうじ)があります。

真間(まま)とは、日本の古語で崖や傾斜地を意味する言葉だそうで、弘法寺も階段を登った、崖の上の部分に建っています。創建は奈良時代にさかのぼると伝えられ、幕末の戊辰戦争の際には、時期は違えど、官軍・幕府軍双方がこの地に陣を敷いたことがあります。高い位置にあって、一定の広さと堂宇を備えていたからでしょうか。

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弘法寺の階段

階段を登り、仁王門の先右奥に「伏姫桜」と呼ばれる枝垂桜が薄桃色の花をつけています。

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伏姫桜

案内板にあるように、樹齢は四百年。幹や枝は前回ご紹介した龍ヶ崎の桜と比べると細いようで、多くの支柱に支えられて樹の形を保っているようにも見えますが、花の付き具合いなどを見ると元気いっぱいです。

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伏姫桜 全景 支柱がたくさん見えます

さて、枝垂桜はその名の通り、花をつける枝が下に下がった状態で花をつけるので、横の広がりだけでなく、花のたての変化も楽しめる品種です。なぜこのように枝が垂れ下がるのか、を調べてみたところ、突然変異により、植物ホルモンのジベレリンが不足することが原因とのことです。「ジベレリン」などという言葉を聞くのは高校の生物の授業以来です。植物の生長を促すジベレリンが不足することで、枝が正常に成長できず、枝が先細りになるために重力に負けて垂れ下がる、というふうに理解しました。

次回は弘法寺の他の見どころも少しご紹介していきます。