おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

立てば餅焼く 座れば牡丹餅5

足立区にある西新井大師は、「東国花の寺百ヶ寺」の東京一番札所となっています。「東国花の寺百ヶ寺」というのは、平成十三年(2001)に発会された会で、関東一都六県の花の寺とされている寺院が集まっています。現在103の寺院が参加されているそうで、東京都の札所は12あり、その中には次回以降これも牡丹の名所としてご紹介する予定の薬王院もありました。
西新井大師は、正式な名前を五智山遍照院總持寺といい、真言宗山派のお寺で、「大師」の名前からも弘法大師にゆかりがあることがわかります。

西新井大師 仁王門

 

總持寺ではピンとこないのは、川崎大師のお寺の名前が平間寺というのと同じで、通り名があまりに有名すぎるからでしょう。
「西新井」の地名も、弘法大師がこの地を訪れた際、護摩祈願を行って井戸に清水が湧いたのがお堂の西側であったことに由来しているそうです。
さて、西新井大師の最寄駅は東武鉄道大師線「大師前」 大師線といっても西新井駅を起点として、終点が大師前駅なので、駅はニつだけで運行距離1キロ、車両も二両編成となっています。
大師前駅は駅に自動改札などがなく、起点の西新井駅構内にその機能がある、という珍しい駅です。

大師前駅 改札らしき場所に人がいません

話がそれてしまいましたが、駅を降りてから3分くらいで山門に着きますが、一番大きな第一牡丹園はそれより手前にあります。

第一牡丹園入口 
拝観料を取ることなく無料でたくさんの牡丹を鑑賞できるのは嬉しい限りです。
牡丹の名所を表す言葉に「西の長谷寺、東の西新井」という言葉があるそうです。この長谷寺奈良県桜井市にあり、長谷寺式観音という、錫杖(輪っかがいくつか通している杖のことで、お大師様とかお地蔵様が手に持っています)を持った独特の様式の観音さまで有名です。また、牡丹の寺としても知られ、境内には150種・7000株あまりの牡丹が咲き誇ります。なお、真言宗豊山派の総本山はこの長谷寺です。
西新井大師の牡丹は総本山の長谷寺から移植されたもので、19世紀初めごろの文化・文政期には牡丹園が造られていたとのことです。

第一牡丹園の牡丹 品種名が書かれていて親切です

西新井大師の牡丹話が続きます。