おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

(菖蒲の)時は今、雨がしたしる水無月かな4

昭和二十五年(1950)、潮来公民館の主筆を務めていた本田潤哉さんという方が有志に呼びかけ寄付を募ります。集めた13,000円(当時 現在では20~50倍の価値にあたるでしょうか)で、明治神宮にある菖蒲園から花株137株を購入しました。とはいえ、すぐにあやめ園を造成することはかなわず、当時は切花のあやめをビール瓶などに活けて飾るくらいしかできません。花菖蒲は「株分け」という方法で株を増やします。

株分けで増える花菖蒲(みさと公園菖蒲田)

地道にあやめ(花菖蒲)の数を増やし、昭和三十一年(1956)に潮来町初代町長の藤岡鉱次郎さんを中心に鹿島参宮鉄道(現関東鉄道)と地元の旅館経営者たちが尽力し、現在の「水郷潮来あやめ園」の前身「前川あやめ園」が開園しました。翌年には国定公園の指定も受けています。ちなみに「前川」は人の名前ではなく、あやめ園のすぐ横を流れる川の名前です。

国定公園の看板と潮来の伊太郎像 昨年6月5日撮影

1.3haの園内に咲き誇る花菖蒲はなんと約500種100万株。小岩菖蒲園の花菖蒲が約5万本といいますから、その桁違いの規模がわかります。

咲き誇るあやめ(花菖蒲)昨年6月5日撮影

これだけの規模でありながら、入園は終日自由、無料です。(駐車場代はかかりますが)今年のあやめ祭りは6月19日まで開催され、期間中は「ろ漕ぎ舟遊覧」「嫁入り舟」や、「ライトアップ」などのイベントが行われます。

これらの橋もライトアップされます 昨年6月5日撮影

夜の情景はHPなどで紹介されているのですが、まさに「幻想的」という言葉でしか言い表せません。(帰った後で知り、夜まで滞在しなかったことを後悔しました)

是非、この時期に潮来を訪れ、潮来と水郷の魅力にはまってみてください。

次回は千葉県側の水郷、「水郷佐原あやめパーク」をご紹介します。