おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

明日に架ける蓮2

蓮の花の散った後、花びらのついていた元の部分、これを「花托」(かたく)と呼びますが、その部分の写真です。写真左の緑の半球形が「花托」にあたります。

右の花と比べると「花托」がどの部分にあたるかわかりやすいですね

「花托」は何かに似ていませんか?今の季節だとシャワーヘッドに見えるかもしれませんが、古代にシャワーはありません。自然にあるものでは「蜂の巣」が連想できませんか?いじっていると働きバチが穴から飛んで出てきそうです。一二か月先には茎や花托の部分も茶色く変色するので、より「蜂の巣」感が増します。
蓮は古名を「ハチス」といい、古事記には「波知須」と記されていますので、「蜂巣」が→「ハッス」→「ハス」と転化したという説が一般的です。
さて、蓮の見頃ですが、千葉公園大賀ハスなど早咲きのものは盛りを過ぎていますが、通常はこれから、というところが多いので、是非早起きして見に行かれることをお勧めします。

昨年7月18日の千葉公園 ほとんど散った後でした・・・

前回にもハスは朝咲く花としてご紹介していますが、一つの花の咲くサイクルは決まっていて、四日目の昼には散ってしまいます。花の四日間を辿っていきましょう。

一日目 午前四時から五時頃に(ちょうど日の出の時間帯)くらいから花弁が緩み始めます。初日は前回までに至らず、とっくりのような形まで開いたところで八時ごろには花が閉じていきます。初日はこれでおしまい。

開きかけの蓮の花(あるいは閉じていくところ?埼玉県行田市 古代蓮の里)

二日目 深夜午前一時くらいから花弁は緩みだします。花が全開するのは朝七時から九時くらいの間だといわれます。この日の花の姿が最も優美とされ、花托の周囲にあるおしべが開き、香りも強まるのがこの日です。

三日目 前日と同じく深夜午前一時くらいから開き始めた花は九時から十時くらいの間に全開し、四日間のうちで最も花弁が開くのがこの日です。前日は黄色かった花托ですが、周辺の部分は緑がかってきます。

四日目 八時頃までに全開した花から花弁が散り始め、午後三時には完全に散ってしまいます。花托は全体が緑色に。

というのがハスの四日間です。なるべく早く出かけて、「これは〇日目かな」などと想像してみると、ちょっとハス通になった気分です。

ハスの話、続きます。