本家琵琶湖の竹生島は、湖の北部に浮かぶ島で、日本三大弁天の一
さて、不忍池がハスの名所として知られたのは、前々回ご紹介した
これによると大賀博士は、寛永寺の開山である天海僧正か、天海の構想に乗って弁天島を造営した水谷伊勢守(水谷勝隆 常陸国下館藩⇒備中国成羽藩⇒備中国松山藩)と推論しています。
さて、大賀一郎博士は、植物学者として蓮の研究の第一人者であり、古代
この時の「観蓮会」には、「日本植物学の父」といわれる牧野富太郎(来年2023年の朝ドラ「らんまん」の主人公のモデル)も参加しています。この会が開かれたきっかけというのが、 「ハスの花が咲く時、音がするかしないかを確かめる」ためでした。
元々明治三十一年(1898)に植物学者の三宅驥一(みやけ きいち)が、小石川植物園でハスの開花を観察して音がしないと発表しましたが、当時世間にはほとんど受け入れられませんでした。
大賀博士が文献を遡ると、江戸時代中期の俳諧に「暁に音して匂うはちすかな」(潮十子)などが音がするとされた最も古いもので、それ以前には開花の音について触れた文献はありませんでした。博士も「無音説」を主張しています。
とはいえ、明治時代にも正岡子規の「蓮開く 音聞く人か 朝まだき」、石川啄木の「静けき朝に音たてて白き蓮の花咲きぬ」など、開花時には音がする、という詩歌があり、論争の決着のためにも実証が必要でした。
世間の興味が「音がするのかしないのか」に集まる中、昭和十年(1935)七月二十四日明方に「観蓮会」が始まりました。さて、音はしたのか、しなかったのかは次回で。