おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

次電車操業

東海道線の始発駅として、鉄道開業時から利用されていた新橋駅ですが、12月20日からは始発駅の座を東京駅に譲ることになります。また、電車路線の「京浜線」は烏森駅を通っていたこともあり、この日を境に旧「新橋駅」は「汐留駅」として貨物専用の駅となります。

鉄道開業時から活躍していた新橋駅は、汐留駅となりました

深夜に行われた作業とは、ターミナル駅の役目を果たしていた新橋駅から東京駅への引っ越し作業でした。この時、新橋駅の駅長を約20年務めた高橋駅長も東京駅へ栄転しており、備品類の搬出作業などの陣頭指揮を執っています。高橋駅長と共に新橋駅からスライドして東京駅に配置転換された職員数は駅長を含め283名いたそうです。

そして「烏森駅」が、今度は新「新橋駅」と名前を変えて二代目の役割を果たすことになりました。

現在の新橋駅 京浜線「烏森駅」が二代目の役割を果たしました

現在の新橋駅には、鉄道唱歌の碑が駅前に建てられ、「汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり」の歌詞が刻まれていますが、この唄に唄われた新橋駅は旧「新橋駅」ということになります。

新橋駅前に建てられた「鉄道唱歌」の碑

さて、一方東京駅開業日のトラブル・大失態を挽回すべく、同じく20日の正式開業に向け、京浜線の試運転が続けられていました。しかし不具合の解消には至らないまま、20日の5時18分、一番電車が東京駅を見切り発車しました。当初の予定は5時発でしたので、18分遅れでの出発です。その2分後、横須賀行の蒸気機関車牽引の列車が出発します。(高島町より先は電化していないために蒸気機関車が牽引していました。)

一方上り普通列車は6時15分に東京駅に到着しています。一般の乗客が東京駅に降り立つのはこれが初めてでした。降り立った数百の乗客はホームの左右を見回しながら、驚嘆の声を発してなかなか改札から外に出なかった、というような記事が翌日の新聞で報じられています。

こうして東京駅と京浜線の営業が始まりました。次回は京浜線と東京駅のその後をご紹介します。