おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

八重洲の桜

12月20日に正式に開業した電車線「京浜線」ですが、その後もお披露目の日と同じ不具合が起きてしまいます。あまりに不具合が多いので、26日にいったん電車だけの運航を停止し、代行して蒸気機関車が牽引することとしました。やっと路線の整備が完了し、電車単独で運伝できるようになったのは、4ヶ月以上先のことです。

これにより東京を起点とする東海道方面の路線は完成しました。一方で東京の北に明治四十五年(1912)に万世橋駅が中央線(元々は日本鉄道の甲武鉄道の駅として計画されましたが、鉄道国営化したもの)の駅として開業しています。

万世橋駅に置かれた旧万世橋駅の写真 銅像日露戦争の軍神、広瀬中佐像

東京駅開業後、大正四年(1915)に東京~万世橋および東京~神田の路線工事が着工、八年(1919)に竣工しました。これにより中央線も東京駅に乗り入れるようになっています。神田~上野間が完成し、当初の目的が果たされたのは大正十四年(1925)のことです。

日本における鉄道の開業から、東京駅開業まで長々とご紹介してきましたが、最後に東京駅のもうひとつの玄関口である「八重洲口」について触れることにします。

東京駅の乗車・降車口は皇居の方面、すなわち駅西側にのみ造られていました。東側には車両基地が設けられ、改札が無かったため、日本橋など駅の東側へ行くには迂回しなければなりません。

ようやく昭和四年(1929)年末に東側に小さい「八重洲口」が設けられ、乗客は迂回せずに日本橋や京橋方面に進むことができるようになりました。改札口とは関係ありませんが、八重洲地下街には「八重洲」の名前の由来となったヤン・ヨーステンの像が飾られています。

八重洲地下街ヤン・ヨーステン

東京駅の歴史についてはまだまだご紹介する事件などがあるのですが、それはまた別の機会として、いったんこの項は終わりとさせていただきます。最後までお付き合いいただきありがとうございました。