おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

菊、菊、菊の谷だ~2

「造形」は、懸崖用の小菊を使って動物や五重塔などを模して作るものです。「懸崖作り」もそうですが、展示するにもそれなりの広さが必要となります。そのため、ある程度大規模な菊祭りでないと目にすることができません。

茨城県笠間稲荷の菊祭り 五重塔の造形

また、菊祭りの開催期間は1ヶ月を超えますが、あまり最初の頃に行くと菊が咲き揃っておらず、ちょっと残念に思うことも。上の写真では五重塔の屋根には数えるほどの花しか見られません。

亀戸天神の菊祭り スカイツリーの造形 二つ並べて撮影が可能です

亀戸天神の菊祭りで作られていたスカイツリーの造形は、高さ6mあり、本物の1/100スケールで作られています。社殿とスカイツリーを背景に、満開の菊を撮影できれば良かったのですが、1~2週早かったようです。

これまでご紹介したような様々な菊の仕立てや花色を調和よく組み合わせて、庭園や山や里などを表現するのを「総合花壇」と呼んでいます。こちらも大掛かりな菊祭りで見られます。

小岩善養寺の菊祭り 総合花壇

「造形」や「総合花壇」は、元々19世紀初頭の文化・文政期に起った造り菊(菊細工)が発展したものです。園芸の先進地、江戸の染井の植木屋によって考案され、当初は動物や富士山・二見が浦などの各地の名所だったり、宝船などの縁起物などが模して作られました。物や風景を形どった「菊細工」は、19世紀中頃の天保時代に「菊人形」へと発展していきます。次回は菊人形の歴史をご紹介していきます。