おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

わたし松葉、いつまでも松葉

ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。

十日ほど前の話で恐縮ですが、17日に新宿末廣亭の正月二之席に行きました。二之席は2020年以来の拝見となり、その時はコロナが流行する前で、伊勢丹で買ったお弁当を食べながら観覧できたのですが、今は感染防止のため、館内飲食禁止(ペットボトルで飲むレベルは可)となっているのがちょっと残念。(5類になったらこのあたりも緩和されるのでしょうか)
正月の寄席は、演者も御目出度い演目を演じるので、見る方もお目出度がアップし、松の内を過ぎても改めて正月気分にひたれます。

末廣亭の演者一覧 真ん中あたりに演目「松づくし」の字も

末廣亭の演者一覧 真ん中あたりに演目「松づくし」の字も

さて、正月の席で恒例となっている演し物が、三遊亭歌留多師匠の「松づくし」。女性初の真打として知られる師匠ですが、話芸としての落語のみならず、寄席の踊りなども得意とされる中で、この時期は「松づくし」も演じておられます。簡単に説明すると、松を描いた扇子と、同じく松の描かれた箱の踏み台を使っての曲芸的な踊り、といえばよいでしょうか。3年前にも拝見しましたが、着物姿で三段に重ねた踏み台の上で片足でポーズを決める、というのは中々格好いいものです。(館内写真撮影も不可なので、写真でお見せできないのが残念です)調べると歌留多師匠は御年60歳、いつまでもお元気でこの演目を続けていただきたいものです。
前置きが長くなりましたが、今回は正月らしく「松」をテーマに色々とご紹介していきたいと思います。

松の盆栽 明治神宮にて

東アジア圏においては、常緑樹で冬でも青い葉をつける松は不老長寿の象徴とされています。それだけでなく、魔除けや神が降りてくる樹としても珍重されており、「マツ」の語源は神を「待つ」「祀る」が語源とされる説が有力なものの一つとされています。

正月に飾る「門松」はぱっと見たところ、中央の3本の竹が目に入りますが、周囲には松葉が配されています。元々は名前の通り「松」を年神さまをお迎えする「依り代」(よりしろ)として門前に松を飾ったのが始まりだそうです。

次回も縁起の良い「松」の話を続けます。