おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

センチュウでござるぞ!

マツクイムシの被害にあう」などと表現される「マツクイムシ、辞書で調べると、
[「松の樹皮と材部の間を食い進むなどして枯死させる害虫。キクイムシ・ゾウムシ類をさすことが多いが、マツノザイセンチュウによる被害が大きい。」とのこと
とあります。まずは前回出てきた「マツケムシ」と異なることはわかります。あと、「キクイムシ・ゾウムシ類」は、名前ではそう呼ばれるものの、枯死する実際の原因は別に「マツノザイセンチュウ」にある、という書き方です。

浜離宮公園の松(枯死しているわけではありません)

全てカタカナだと得体のしれない感じですが、「松の材線虫」と表記するとちょっとイメージが見えてきます。「線虫」は、ミミズ(ミミズ自体は環形動物にあたるそうですが)を半透明にしたような生物の総称で、その種類は多様で1億種類以上が存在するそうです

自由に生活する線虫の方が多いのですが、寄生するものの方が人間生活に影響が大きいので、良く知られているのはたいてい寄生のもの。代表的なものは、人間に寄生する回虫やぎょう虫、サバなどに寄生するアニサキスなど。
マツノザイセンチュウ」もマツに寄生する線虫なのですが、元々北アメリカ原産で、日本に元々いたわけではありません。明治時代にアメリカから輸入される品物の梱包材と一緒に日本に入り込んだと言われます。おそらく、外箱と品物との間の緩衝材としてウッドチップとかおがくずの間に交じっていたのでしょう。

アメリカでは長い間に松と線虫の共生関係が作り上げられ、元気に育った松を駆らせてしまうことは無いようです。が、日本に入り込んだこの新参者(虫)は、免疫のないクロマツアカマツに対して猛威を振るい始めます。それについては次回に。