おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

障がいを越えて6

九段下というと「千鳥ヶ淵」が思い浮かびますが、武道館より西側の堀のあたりが「千鳥ヶ淵」で逆の東側が「牛が淵」と考えればいいでしょうか。江戸城の清水門と田安門の間にあたり、昔このあたりの堀に牛が落ちで死んだことからこの名前が伝わっているよう…

障がいを越えて5

伝記によると、辰之助は絹商人に連れられて江戸に出たのですが、またその際に「お互いに出世をしよう」と約束をしたといいます。その絹商人ものちに与力の株を買い、江戸町奉行として名を残した根岸肥前守鎮衛(ねぎしひぜんのかみ やすもり)となった、とも…

障がいを越えて4

宝暦七年(1757)夏、辰之助(保己一)の母きよがこの世を去りました。視力を失った辰之助を励まし助けてくれたきよの死に、辰之助はたいそう嘆き悲しんだと伝わっています。一方で江戸へ出て学問をしたいとの気持ちはさらに強まっていったようです。 保己一…

障がいを越えて3

塙保己一が武州児玉郡保木野村(埼玉県本庄市児玉町保木野)でこの世に生を享けたのは延享三年(1746)5月5日のことでした。 塙保己一 生家の門 誕生日が近いこともあり各地に幟が置かれていました この地を訪れたのが今年の4月28日のことでしたので、誕生日…

障がいを越えて2

子供の頃、小学館の学習百科事典を買ってもらいました。確か12巻が人物事典になっていて、見開きの2ページに日本・世界の偉人のエピソードが紹介されていました。塙保己一(はなわ ほきいち)という名前を知ったのは、それが最初のことだったと思います。 エピ…

生涯を越えて

ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。先日パリ・パラリンピックが閉幕しました。オリンピックと比べるとメディアでの紹介が小さいことについては残念な印象は持ちましたが、障害を乗り越えて競技に取組む姿はオリンピック以上の感動を与えてくれたかも…

離宮にたずねよ19

石山寺で紫式部が源氏物語を書き出したのが「須磨の段」の「こよいは十五夜なりと~」と伝えられていることからもわかる通り、須磨は首都圏(当時)の端境の地で寂れてはいるものの、白砂青松の風光明媚な土地であり、特に夜の月が美しいことで知られていま…

離宮にたずねよ18

源氏物語「須磨の段」で、愛する朧月夜との密会が露見して、政敵である右大臣家の圧力も強くなり、光源氏は居づらくなった都を離れ須磨に隠棲します。紫式部は須磨の地について「(光源氏の)おはすべき所は、行平の中納言の『藻塩垂れつつ』侘びける家居近き…

離宮にたずねよ17

バラ園があまりに有名なのと、菖蒲園自体の規模も大きくはないので、花の見ごろでもごった返すことがなく、しかも菖蒲の見える位置にベンチが置かれているというのはこれは他の菖蒲園にはあまりなくポイントが高いですね。 菖蒲園の周辺にはベンチが数多く置…

離宮にたずねよ16

過去の5月、6月の投稿をご覧いただくとわかりますが、菖蒲好きです。噴水もそうですが、水のある風景を好む性向があるせいか佐原や栃木などの街並みに惹かれます。うお座という星座のせいか、前世になにか水に関係するものが絡んでいたのでしょうか。 昨年5…