おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

えんまのまんま3

今回ご紹介する「上品寺」は新小岩駅から平和橋通りを1KMほど北西に進んだところにあります。大通りに面している上に、お寺の名前が彫られた石柱と「江戸名勝ゑんま大王安置堂」と大きな看板が出ているので、迷いようがありません。 「ゑんま大王」の大きな…

えんまのまんま2

源覚寺の閻魔さまの写真が手元にありませんが、お寺の公式ホームページのトップが閻魔さまのお姿ですので、リンクを張っておきます。 www.genkakuji.or.jp お像の右目が濁っているように見えます。左目が玉眼(表面に水晶をはめ込み、本当の目のように見せる…

えんまのまんま

ようこそのお運び厚く御礼申し上げます。交差点の名称になっている閻魔さまは、ある意味江戸三閻魔以上によく知られた存在といっていいのではないでしょうか。 丸ノ内線・南北線の「後楽園」駅から北に100M進むと、交差点名が「こんにゃくえんま前」、東に伸…

えんま異なもの味なもの9

善養寺の門を入ると、正面に本堂があり、ご本尊として閻魔さまが祀られています。 本堂の引戸は普段閉じられていますが、15CMくらいの幅で開くようになっており、開いたとの間から、閻魔さまのお姿を拝見することができました。 引戸を開くと正面に閻魔さま…

えんま異なもの味なもの8

右の部屋に目を向けたところ、閻魔像がもうひとつお座りでした。 華徳院 右の部屋の閻魔さま お供えの林檎と比べると、釘抜きの大きさがわかります お顔が真っ赤に塗られていない分、お顔がリアルに恐ろしげなのと、ひざ下に置かれた釘抜きの大きなこと・・…

えんま異なもの味なもの7

江戸三閻魔と呼ばれているのが、この項の4・5回でご紹介した新宿の太宗寺、杉並区新高円寺の華徳院、西巣鴨の善養寺(横綱の松のある小岩のお寺とは別です)の閻魔さまです。太宗寺については江戸時代から場所が変わっていませんが、他の二寺院は江戸時代は…

えんま異なもの味なもの6

太宗寺の北100Mくらいのところに、正受院(しょうじゅいん)があります。正式には『明了山正受院願光寺』といい、太宗寺と同じく浄土宗のお寺です。 新宿:正受院 北区にも同じ名前のお寺があるので検索される際はご注意を 正受院は、閻魔さまのお像はなく、…

えんま異なもの味なもの5

さて、太宗寺の閻魔堂の照明スイッチボタンを押してみます。 照明ON 提灯四張の奥に赤いお姿が浮かび上がります 「閻魔大王」と書かれた提灯の奥に、赤い顔の輪郭が浮かび上がりますが、金網から遠いと見づらいですが、近くに寄ってのぞき込むと、5Mもあるお…

えんま異なもの味なもの4

東京都内で最大の閻魔像があるのが、新宿にある「太宗寺」です。 太宗寺 丸ノ内線新宿御苑駅から2,3分のところです 本堂はおよそお寺とは見えないような近代的な建物ですが、その歴史は16世紀の終わりごろに遡ります。1596年(慶長元)に僧・太宗が開いた草…

えんま異なもの味なもの3

この世(此岸)とあの世(彼岸)の境目に流れるのが三途川。人が死ぬと、この川を渡るわけですが、奪衣婆と懸衣翁は、三途の川の手前で死者を待ち、死者の衣服をはぎ取ります。人が死んだ後に最初に出会うあの世の官吏(役人?)がこの二人です。 奪衣婆(だ…

えんま異なもの味なもの2

,最初にご紹介するのが、板橋区にある「文殊院」。最寄駅は都営三田線の板橋区役所前です。(私は一つ先にある板橋本町から旧中山道を南に歩いて行きました)この日はJR板橋駅前にある、近藤勇のお墓を見に行くついでに立ち寄ったのですが、ここで拝見した閻…

えんま異なもの味なもの

ようこそのお運び厚く御礼申し上げます。上方落語に「地獄八景亡者戯」という演目があります。「金沢八景」や「近江八景」の「はっけい」ではなく「ばっけい」で、「じごくばっけいもうじゃのたわむれ」、実に1時間を超える大ネタで、上方落語らしい、音曲を…

他抜きつ抜かれつ9

兄である四代将軍家綱が死の床で、次代の将軍を綱吉にする、と命じたのでした。次兄の甲府宰相綱重は2年前に35歳の若さで亡くなっており、継嗣のいなかった家綱が綱吉を養子として将軍を継がせる、と白羽の矢を立てたのです。 直系がの子孫がいないので、そ…

他抜きつ抜かれつ8

福寿神祠(福寿稲荷とも)は、元々は江戸城内に創建されたものですが、後に浅草橋近くの向柳原町の旗本屋敷に遷り、明治2年(1869)に柳森神社内に合祀されたとのこと。入口には雌雄の狸が迎えてくれます。 福寿神祠 鳥居の両側に狛狸(?)が 徳川五代将軍…

他抜きつ抜かれつ7

群馬県館林市、千葉県木更津市と、ちょっと遠い場所の紹介になりました。都内で有名なところでは、隅田川七福神のうちの一つ、多聞寺(東武伊勢崎線の堀切駅と鐘ヶ淵駅のちょうど中間くらいに位置します)の狐塚があるようですが、手元に多聞寺の山門の写真…

他抜きつ抜かれつ6

三日間続いた狸たちと住職の大騒ぎですが、四日目の晩、ぴたりと止まってしまい、住職はどうしたことかと思っていました。翌朝、境内の庭を見たところ、そこに大狸が腹を破って死んでいます。三日間の狸囃子の間、腹太鼓で音頭をとっていた大狸でした。 住職…

他抜きつ抜かれつ5

舞台は千葉県木更津市に移ります。「證誠寺の狸囃子」の舞台「證誠寺」です。木更津市内にある唯一の浄土真宗のお寺だそうで、開かれたのは17世紀中期といいますから、徳川家光が将軍の時代あたりでしょうか。 証(證)誠寺 本堂 「證誠寺の狸囃子」の伝説は…

他抜きつ抜かれつ4

守鶴が持ってきた茶釜で来客者に茶をふるまったところ、不思議なことにいくら茶釜からお湯を汲んでも、尽きることがありません。守鶴は、自らこの茶釜を、福を分け与える「紫金銅分福茶釜」と名付けます。この茶釜の湯で喉を潤す者は、開運出世・寿命長久等、八…

他抜きつ抜かれつ3

文福茶釜の話を童話として広めた巌谷小波は、明治・大正期の児童文学史には必ず名前の出てくる児童文学者・作家です。桃太郎、金太郎、浦島太郎のほか、花咲爺、かちかち山なども昔話・説話の中から小波によって子供たちに広く紹介されました。 茂林寺の境内…

他抜きつ抜かれつ2

「そんなばかな」和尚さんは茶釜に眼を向けると、茶釜は居眠りの前と同じ場所に置かれています。「ちゃんと元のところにあるではないか」「おかしいなぁ、確かに足を出して動いていたのですが・・」「いい加減なことを言うでない、せっかく気持ちよく寝てい…

他抜きつ抜かれつ

ようこそのお運び厚く御礼申し上げます。稲荷神社はご存じの通り狛犬ならぬ狛狐が入口に祀られていますが、「狐と狸の化かし合い」「狐七化け狸は八化け」などと、何かにつけ対比される狸ですが、稲荷神社のようにそこかしこに祀られているわけではないよう…

善え樹を養う~横綱の松~9

日本一の松に、小岩不動尊としても色々見どころの多い善養寺ですが、普段はそれほど境内が賑わっているというわけではありませんが、10月下旬から約1ヶ月にわたって開かれる「影向菊花大会」の時期は多くの人が訪れます。 この菊祭りは、昭和42年(1967)か…