おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

生きるか死ぬかの岐路に松2

「根回し」というと、一般的に使われるのは「交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと。下工作。ということですね。「うまく根回ししておいてくれ」とか「根回しが足りずに反対派を抑えられなかった」などと使われます。なん…

生きるか死ぬかの岐路に松

松は比較的長生きする樹木で、寿命は500年から1000年とも言われます。常緑樹であることも相まって、鶴や亀とともに長寿の象徴ともされていますね。 が、植物は移動ができないので、生育する環境が変わることで枯れてしまいます。 初代「御行の松」の場合は、…

お若・伊之 お松なせぇ

ここでお若と伊之助、逢引きがあったのか、なかったのか、頭の勝五郎は根岸の高根晋斎と、両国の伊之助の間を行ったり来たり・・ いわゆる現在の「落語」としてはこの部分に笑いどころがあるばかりで、あとはサスペンス調で話は進み・・ 御行の松不動堂 右側…

若・伊之 至り

この不動堂の境内に「狸塚」がありました。この塚を見つけたとき、「これがあの噺に出てきた塚か!」と思い当たった落語があります。幕末から明治にかけて活躍した三遊亭圓朝(初代)が創った「お若伊之助」です。 「狸塚」 塚の左右に子狸の像が置かれてい…

枯死、改修3

荒れていたお堂をなんとか復興しようと、地元の文化人・有志の賛同で「御行の松復興奉賛会」を結成し協議を重ねた結果、昭和三十一年(1956)に地元有志を喜ばせる話が持ち上がります。 時の台東区長のあっせんで、上野寛永寺からこの地に一本の松を贈与する…

枯死、改修2

調べてみると「日暮里の大火」というのは、過去2回大正十四年(1925)3月と昭和三十八年(1963)の4月に起きていて、ここでは前者を指します。3月18日午後2時半頃、日暮里町大字金杉にあったアサヒ反毛会社工場から出火しました。 正面の屋根の下にあるのは…

枯死、改修

wikipediaの中に「指定解除された天然記念物」のカテゴリがあり、東京都の項には「御行の松」(おぎょうのまつ)と「狛江淡水クラゲ発生地」の2つが該当しています。 ここでご紹介するのが前者の「御行の松」。台東区根岸にある西蔵院の本堂から150mほど北に…

頑張り松する

さて、東京の「松」というとこの松を外すことはできないのが、東小岩にある善養寺の「影向の松」(ようごうのまつ)です。平成二十三年(2011)国指定天然記念物に指定されました。松(リュウキュウマツやゴヨウマツも含むに)で指定されているのは全国でも8…

老いて松々盛ん4

青竜山浄光寺は葛飾区東四つ木にある天台宗のお寺ですが、通称「木下川薬師」として知られます。「木下川」と書いて「きねがわ」と読みます。 室町時代の頃、木毛河(きけがわ)を呼ばれていたのが「木毛川」から「木下川」へとと変化し、読み方も「きけがわ…

老いて松々盛ん3

今回は浜離宮の松の写真をいくつかご紹介していきますが、写真の間では、松の鑑賞ポイントなどご紹介できればと思います。(といっても受け売りの物に過ぎませんが) 水辺のゆるい斜面から横に伸びる松 松の鑑賞ポイントは、「一肌、二振り、三姿」といわれ…

老いて松々盛ん2

東京の大名庭園は、小石川後楽園、細川庭園、六義園など名園が数多く残されていて、松の木も多く植えられていますが、全体の数や、名松としての個体ということも考慮すると、浜離宮恩賜庭園を挙げるのが妥当ではないかと思います。 浜離宮恩賜庭園 海沿いに…

老いて松々盛ん

白砂青松の松原は、松林の中に入ってしまうと一本一本にはそれほど個性がないためか、やはり少し離れたところから全体を眺めるのが良いようです。松林として全体が成長していくためには、個々の松が大きく育つのを集団が抑制しているのでしょうか。 一方で、…

拍手!青松

「白砂青松」という言葉は、その字の通り白い砂浜と青い松林の風景で、日本の海岸風景の美しさを表す言葉です。昭和六十二年(1987)に「日本の白砂青松100選」が選定されています。関東から13ヶ所が挙がっていて、東京都からも二か所!と調べてみたところ、…

藁う松には虫来る2

今では効果の程が疑問視される「菰巻き」ですが、「雪吊り」と同じく冬の庭園を彩る風物詩的な意味合いで続けられているのかも知れません。なお、六義園や清澄庭園では、飾り結びの「梅結び」が施された「菰巻き」を目にすることができます。明らかに結び方…

藁う松には虫来る

雪吊りと共に、この時期の松には腹巻きのように松の幹に藁が巻かれているのが見られます。なんとなく腹巻きと語感が似ているので「藁巻き」と呼んでしまいます。これには「菰巻き」(こもまき)という正式な名前があり、元々は水辺に群生するイネ科の「マコ…

暮らす松吊りー3

都立庭園9つのうち、雪吊りを行っているのは7庭園で、その全てが23区内にあります。都内の庭園(8つ)は現在東京都東部公園緑地事務所が所管していますが、かつては南部と北部の公園緑地事務所が存在していました。7庭園の管轄でいうと、北から 北部公園緑地…

暮らす松吊りー2

「兼六園式」の雪吊りが、元々リンゴの樹の枝が、実の重さで折れないようにする工夫を松に応用して行われるようになったことは前回ご紹介した通りです。「雪吊り」の名前の通り、芯柱から張られた縄の先は、枝に直接結びつけられています。 「兼六園式」雪吊…

暮らす松吊りー

冬の庭園では落葉する樹木が多く、降雪でもないと他の季節に比べて殺風景な感じです。そんな中で青々とした松の木には冬の主役として存在感を感じます。降雪の重みで樹の枝が折れないように施される「雪吊り」は、金沢の「兼六園」が有名ですが、都内の庭園…

燃える松根(しょうこん)

エンジンが詰まる、ということはガソリンとしての揮発性が足りていないということなのか、戦時中の飛行機に急旋回を禁じる、というのは無理な話で、余り実用性はなかったという結果に終わりました。海軍でも双発ジェット戦闘機「橘花(きっか)」の燃料に松…