おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

はんじょう 頼んまっせ 天(地)神 揃う2

平成十五年(2003)7月に桂三枝師匠(現六代目桂文枝)が六代目会長に就任してから、落語定席建設への大きく動きました。噺家の「想い」が具体的な「かたち」へと変わっていきました。 天満天神繁昌亭のホームページ内の「繁昌亭とは?」をクリックすると、…

はんじょう 頼んまっせ 天(地)神 揃う

「ワッハ上方」(大阪府立上方演芸資料館)は「なんばグランド花月」の向かい、「ドン・キホーテ千日前店」の入ったビルの7階。常設展示はちょっと物足りないものの、収蔵資料が豊富なので、企画展などはなかなか凝ったものが展示されます。入場無料なうえに…

九月に花咲く悲願噺8

5日間の寄席、初日の一番、桂べかこ(現3代目桂南光師匠)さんが「東の旅」を演じています。この噺は「ようよう上がりました私が初席一番叟で御座います」から始まり、小拍子と張扇で見台を叩きリズムを取りながら進めていくので、口切りのネタの定番といえ…

九月に花咲く悲願噺7

引続き当時の新聞記事から。松鶴会長自ら下足番(お客さんの靴を預って下足札を渡す)をされている写真が載せられ、下足札を渡されたファンが 「記念に下足札を分けてください」すかさず会長は 「その代わり、クツを置いていきなはれ」の返し。これには周囲…

九月に花咲く悲願噺 6

救いの手を差し伸べてくれたのは、東心斎橋にある「日本キリスト教島之内教会」の当時の牧師さんの 西原 明さんでした。 昭和四年(1929)に建てられた「島之内教会」 国の登録有形文化財です 西原さんは東京神学大学の大学院を修了後、1年米国留学をした際…

九月に花咲く悲願噺 5

定席の別の言葉で言うと、定打小屋(じょううちごや)ともいい、ドラマ「ちりとてちん」ではこちらを使用しています。 「その定打小屋いうのがあったらそないにええことあんの?」、草若師匠が再び常打小屋建設への意思表明を弟子たちに行った後、草々ら弟子…

九月に花咲く悲願噺 4

昭和三十二年(1957)4月の「上方落語協会」結成後、道頓堀にあった文楽座で協会主催の「土曜落語会」が始まり、その後「神戸寄席」「京都市民寄席」といった京阪神の都市での落語の定期公演もスタートしました。 落語協会結成とその前後の出来事(ワッハ上…

九月に花咲く悲願噺 3

昭和二十四年(1949)4月に、関西演芸協会が発足します。漫才師や浪曲師も含めた芸人全体の親睦団体ですが、そこに参加した落語家笑福亭松鶴(五代)、桂春團治(二代)を初めとして13名。後の「上方落語四天王」もその中に名を連ねています。 戦後すぐの上…

九月に花咲く悲願噺 2

更新した時間にはすでに日が変わっていると思いますが、この稿を書いている9月15日は、天満繁昌亭のオープンした日で、今年で17周年になります。繁昌亭の前に建てられた石碑にこの寄席が長年の悲願であったことが書かれています。 上方落語の歴史と「繁昌亭…

九月に花咲く彼岸噺

「ちりとてちん」の主人公、喜代美が大阪に出てきたのが平成三年(1992)頃、そこからドラマ終盤で、草若一門のみならず上方落語会の悲願であった落語の定席「日暮亭」が完成し、翌年春喜代美の出産のシーンで幕を閉じます。 実際この「日暮亭」のモデルにな…

想いを寄席る10

同じ噺を演ずることを「ネタ(根多)被り」といい、当然ながらタブーです。後の演者は、違う噺でもテーマやマクラが被るのを避けなければいけません。 袖で見ていた草原らは「おい、愛宕山は⁈」と大慌て。ライバルの噺家たちも「寿限無はさっき草々がやった…

想いを寄席る9

さて、第7週のトリの回=第42回は「神回」の呼声が高く、2019年のNHKが集計した朝ドラ名場面の堂々第一位(歴代朝ドラかつアンケート集計対象は全国です)に選ばれました。 「八百万の神回」などと突っ込みたくなる昨今の神回オンパレードですが、この回は神…

想いを寄席る8

三年前の一門会の日、草若は妻、志保(藤吉久美子さん)の病状を入院中の病院の主治医から告げられます。 「奥様はもってあと三か月、そう覚悟していただいた方が・・」 ショックを隠しながら病室に妻を見舞う草若、今日の演目を「愛宕山」であることを告げ…

想いを寄席る7

「上方四天王の真実」という暴露話っぽいセンセーショナルな題名にはなっていますが、それぞれの直系のお弟子さんに一門についての話を対談形式で聞く、という企画です。二昔くらい前(五昔くらいかも)の上方落語の空気を感じる事ができ、四天王をリアルタ…

想いを寄席る6

「上方落語四天王」の一人、故米朝師匠の一番弟子といえば(内弟子としては)、「爆笑王」故桂枝雀師匠(二代目)です。佐高信さんの「子弟 教育は出会いだ」には、木下恵介ー山田太一、井筒親方ー逆鉾など24組の師弟関係をから「本当の教育とは」を考察して…

想いを寄席る5

草々ら3人の弟子たちは、手始めに自分たちで落語会を開く算段(計画)を始めます。 その過程で上方落語には常打ち小屋(落語をメインに毎日興行を行う劇場のこと)がなく、上方落語の悲願であることが喜代美に(すなわち視聴者にも)明かされます。 草若宅…