おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ひえひえのあつあつ5

神社の名前は変わってしまいましたが、「山王祭」の名前以外に、平成九年(1997)に新駅として開業した「溜池山王」駅にも名前を残しています。もともと東京に「溜池山王」という地名ありません。新駅がちょうど港区と千代田区の境界線上にあったことで、港…

ひえひえのあつあつ4

現在の名称こそ日枝神社となっていますが、江戸期には山王権現、日吉山王権現などと呼ばれていました。「権現」とは神仏習合の思想において、仏教の仏(如来)や菩薩が仮の姿として日本の神の姿となって現れたことをあらわしています。 千代田区にある日枝神…

ひえひえのあつあつ3

「肥後手まり唄」の歌詞は あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ せんばさ せんば山には狸がおってさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ それを木の葉でちょいとかぶせ 「肥後」とか「熊本」とかが出てくるので、関東の…

ひえひえのあつあつ2

『甫庵太閤記(ほあんたいこうき)』によると、「母親(のちの大政所ですね)が懐中に日輪の子を宿した夢を見、その後懐妊して男子が誕生し、「日吉丸」と名付けた」これが更に、「男子出生を日吉神社に祈願したところ、願どおり男子が生まれたので、神社の…

ひえひえのあつあつ

ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。平河天満宮をご紹介する際に、「居城のあった川越から天神さまと山王神社を勧請」した、とご案内しました。天神さまや八幡さま、お稲荷さまなどと比べると、今はもうひとつなじみが薄い気がします。 しかし、元祖江…

参りゃんせ~行きは良い酔い、帰りはWHY?7

摂社とは、神社本庁HP等によると、神社の境内にある小さな社に対し摂社・末社と呼んでいて、戦前には摂社・末社の区分も設けられていました。現在では、本社との由緒の深い神社には摂社の呼称が用いられていることが多いようです。 牛天神の摂社 太田神社 太…

参りゃんせ~行きは良い酔い、帰りはWHY?6

石段の途中にも梅の花が咲いていて、都会の中でも時間がゆるやかに流れているような気分にさせられます. 牛天神の石段 階段を登り切った先には摂社太田神社があり、その先に手水屋、更に先に拝殿があります。ちょっとわかりにくいですが、手水の水の出るとこ…

参りゃんせ~行きは良い酔い、帰りはWHY?5

北野神社は、丸ノ内線後楽園駅(南北線の駅もあります)から西に歩いて10分足らずのところにあります。丸ノ内線沿いに道を進むと、「牛天神下」の交差点を右に折れ、更に右の坂道を登ると右手に参道が見えてきます。 「牛天神」提灯の掲げられた北野神社参道…

参りゃんせ~行きは良い酔い、帰りはWHY?4

「通りゃんせ」の発祥の地とされている場所には、この三芳野神社の他に、神奈川県小田原市国府津の「管原神社」、同じく小田原市南町の「山角天神社」があるようです。 この二つの神社は、いずれも箱根の関所でのチェックを「帰りはこわい」と唄っている、と…

参りゃんせ~行きは良い酔い、帰りはWHY?3

太田道灌が江戸城築城にあたり、居城のあった川越から天神さまと山王神社を勧請し、今の江戸城平川門あたりに祀りました。天神さまはその後、城の西側の「平河天満宮」に移されたのは前回ご紹介した通りです。「三芳野神社」は、川越城の本丸御殿の東隣場所…

参りゃんせ~行きは良い酔い、帰りはWHY?2

この鳥居の銅板部分にいくつか穴が開いて、中の石の柱が見えている箇所があるのですが、おれは太平洋戦争の際の機銃掃射でできた穴だそうです。 銅鳥居をくぐり境内を奥に進むと、何体もの牛の像が置かれているのが目に入ります。見落としていなければ五頭の…

参りゃんせ~行きは宵々、帰りはWHY?

梅の話をご紹介するのに、このニ、三月はずいぶんと天神さまにお参りしました。関東三大天神以外の天神さまもいくつか紹介していきたいと思います。まずは「平河天満宮」。ここは太田道灌が川越(ここも道灌の城がありました)にあった三芳野(みよしの)天…

梅麗しく情あり3

今回ご紹介する「小村井香取神社」の最寄り駅は「小村井(おむらい)」駅。あまり耳慣れない駅名かもしれませんが、東武亀戸線の駅です。 南側にある鳥居越しに、すでに梅の花が主張しています。 小村井香取神社 鳥居 香取神社の東側に三千三百坪(東京ドー…

梅麗しく情あり2

今回は大田区立「池上梅林」をご紹介します。この稿を書くために調べるまで、すぐ近くの日蓮宗の名刹、「池上本門寺」の境内の一部にあるものと勘違いしていました。 実際のところは、大正・昭和期に活躍された日本画家・版画家の、伊藤深水(いとう 深水 18…

梅麗しく情あり

まだ今年の梅(花)が終わらないうちに、なんとか都内(近郊)の名所をご案内していきます。まずは皇居東御苑。梅の名所というより、この季節から先、初夏までは梅桃桜ツツジバラ菖蒲アジサイと、いつ行っても何かしら季節の花を楽しむことができます。無い…

梅に惹かれて菅公に参り4

天神・天満宮には必ずといっていいほど牛の、それも横たわった姿の臥牛(がぎゅう)の像がありますが、これには菅原道真の生まれ年(承和十二年)が乙丑(きのとうし)であったという説もあります。また、以前に紹介したように大宰府の地で失意のうちに亡く…

梅に惹かれて菅公に参り3

谷保天満宮の梅林は、亀戸・湯島の両天神の梅林が、境内で社殿と一体化したイメージなのに対して、別の空間のような印象を受けます。これは甲州街道の表側にある鳥居から、参道の階段を降りた右側に拝殿・本殿や社務所があるのに対し、左が兄分かれた先に梅…

梅に惹かれて菅公に参り2

神ならば 出雲の国に行くべきに 目白で開帳 やぼの天神 この狂歌の作者は大田南畝(おおた なんぽ)。「蜀山人」や四方赤良(よもの あから)等のペンネームを持ち、幕府の御家人でありながら狂歌、随筆、洒落本の作者として知られ、江戸時代の文芸史を語る…

梅に惹かれて菅公に参り

関東三大天神の最後は谷保(やぼ)天満宮です。他の二つが都内二十三区の中でも東側に位置するのに対し、西側に少し離れた国立市にありますが、歴史的にはこちらが関東最古の天神さまとされています。最寄り駅は、南武線「谷保」(やほ)駅。 南武線「谷保(…

梅を天に任せる4

「どうせあたりゃしねえや」、とぼやきながら、懐から札を取り出し番号を眺めます。 「こっちが子の一三六五番で・・」、貼紙に目をやって、「こっちが子の一三六五番・・・」「あああ、当たった当たった~」 江戸三富のひとつで、最初に公認された谷中天王…

梅を天に任せる3

客は「千両ばかりの金、当たってもしようがないから嫌だ」といいますが、主人は「まあま、そうおっしゃらずに、助けると思ってお願いします」と頼み込むと、「そこまで言うなら買おうじゃないか、いくらだ?」と客。 「一分でございます」 「一分?一分って…

梅を天に任せる2

湯島天神のイベントとは、「富くじ」を販売とその抽選を指します。「宝くじ公式サイト」によると、「富くじ」の元祖は、大阪府箕面市にある箕面山瀧安寺(みのおさんりゅうあんじ)の「富会」(とみえ)だそうです。天正三年(1575)から始まったとされ、当…