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今年は桜の開花が早く、この項を書き終える頃には盛りを過ぎてしまっているのかもしれません。現在、桜の代表的品種として知られているソメイヨシノですが、テレビで散々取り上げているように、オオシマザクラとエドヒガンを交配させて作られました。
原木から接ぎ木で全国に広められ、さらに接ぎ木、接ぎ木を重ねて現在の姿があるわけです。ソメイヨシノ同士は自然交配(多品種との自然交配は可能です)できないので、純粋なソメイヨシノは人を介さないと子孫を残せません。
ソメイヨシノ、漢字で書くと「染井吉野」ですが、染井の植木市で当初は「吉野桜」として売られていました。葉が茂る前に花を咲かせるこの「吉野桜」は大いに人気を博しました。が、明治時代後期に「吉野桜は本来山桜で、染井で売られているのは別な種類である」と指摘され、それ以降「染井吉野」の名前が広がることになったのです。
現在の豊島区駒込周辺にあった染井村は、江戸時代の地図にも「此辺染井村植木屋多し」とあって、周辺の本駒込や千石(六義園があります)などを含め、一大園芸地域となっていました。
JR東日本駒込駅は、2005年から発車メロディとして「さくらさくら」を採用、当初は桜シーズンのみでしたが、2007年からは、1年を通じてこの曲が流れています。
日本を代表する「染井吉野」のふるさとなので、この一帯、いろんなところでそれにちなんだ案内板に出くわします。まず駅の北口を出たところに、「染井吉野桜記念公園」
記念公園、といっても、こじんまりとした公園というか、広場という感じです。
「豊島区の木」はもちろん「ソメイヨシノ」。ちなみに、「豊島区の花」は「ツツジ」で、これも駒込・染井がその産地として知られていたことによります。
染井吉野と染井の里の話、続きます。