高島嘉右衛門は、元々幕末に江戸で材木商兼普請請負業を営んでい
南北は清三郎の顔を見るや驚きの声をあげます。「これは百万人に一
この相は「将来、天上界の神仏となるか、誤れば地獄の鬼となる」
寺子屋に通い出すと、四書五経(ししょごきょう)や六諭衍義(りくゆえんぎ)など、難解な文章も何回も読むと内容を理解して暗記できた、といいますから、相当な頭脳の持ち主だったのでしょう。14歳の頃から父の営む「遠州屋」で本業や盛岡藩での製鉄事業に
ちなみに棄捐令とは、旗本・御家人等(商
マイナススタートの地獄から跡を継いだかたちの嘉右衛門は、その借金の返済のために奔走することになります。22歳で材木屋を始めた彼に安政二年
すると「火」を意味する卦が顕れたことから、江戸に大火が起きることを予想、大量の材木を買い付けます。果たして数日後、「江戸安政大地震」が発生、江戸に大火が起こります。買い付けた材木を高く売るとともに、被害を受けた佐賀藩の普請を請け負って2万両を儲け、先代からの借財をすべて返済することに成功しました。
しかし、「九天九地の相」の持主は、またも地に突き落とされいることになります。その話は次回で。