おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

米米グラフ(KOME KOME WAR)

株価の推移をあらわすグラフを「株価チャート」と呼んでいます。一日の動きを日足(ひあし)と呼びますが、
寄値(相場スタート時につけた値段)
終値(相場終了時につけた値段)
高値(その日の一番高い値段)
安値 (その日の一番安い値段)
を「ローソク足」で表示します。
寄値<終値(始まりより高く終わった)なら白いローソク、寄値>終値(安く終わった)なら中を塗りいローソクで表します。
さらに高値の部分は「上ヒゲ」、下値の部分を「下ヒゲ」といってローソクから毛が飛び出たように表します。
終値=高値の場合は「上ヒゲ」はなく、寄値=安値の場合も「下ヒゲ」はありません。
この一日の動きを日ごとに横に並べることによって株価欄でよく見る、この「ローソク足チャート」は、大阪堂島の米相場で使われ始めたものです。

商都 大阪  吉宗と大阪商人は米相場で対峙します

幕府公認の米会所として堂島が認められたのが、吉宗の時代、享保十五年(1730)でした。この市場は、「正米取引」(しょうまいとりひき)という、収穫された実際にある米を売買するだけではなく、「帳合米取引」(ちょうあいまいとりひき)が行われました。「調合」と見間違えてしまうと、いろんな産地の米を混ぜる「ブレンド米」を取引するのか、とおもってしまいますが、「帳簿」「帳面」の「帳」の字です。

「最終的に帳簿上の売り買いが合致するような取引」と言えばいいのでしょうか、まだ収穫されていない「建物米」(たてものまい)という架空の売買基準銘柄を設定し、百石単位で売買します。また、1年を3つの「季」に分け、その季の最終売買日を「限市」(げんいち)や限日(げんじつ)として、それまでに決済を行いました。

先の季までに米が下がると思えば、建物米を売っておいて、「限日」までに買い戻すこともできれば、現物の米を調達して渡すことで決済をすることもできます。まさに現在さまざまな商品(石油や米・各種金属)や金融商品(株式・債券・各種指数)で世界中の市場でで行われている「先物取引」の最初は、江戸時代(享保時代)の堂島市場での「米相場」でした。この市場の公認に吉宗と商人の思惑がかかわっていました。