おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

念頭に大奥3

ドラマ「大奥 Season2」で松下奈緒さんが演じた田沼意次は、将軍継嗣時代の家重の小姓に抜擢され、家重が九代将軍の座に就くと御側御用取次に昇進します。家重がなくなり十代将軍家治の時代には側用人に出世、さらには老中格を経て老中となりました。

通常、側用人とは将軍の側にいて、その意を老中に伝える役割を果たすのですが、意次はそれらを初めて兼任し、大きな権力を握りました。

田沼意次の墓 染井霊園北側の勝林寺内

享保二十年(1735)に小姓となった時に父 意行(おきゆき/もとゆき とも)の遺跡を継いだ時の俸禄は600石で、安永元年(1772)老中に昇格した際には遠江国静岡県西部)相良藩5万7000石の領主となっています。

さて、ドラマ「大奥 Season1」にも若き日の意次が、家重(三浦透子さんが熱演されていました)の小姓「龍(たつ)」(演:當間あみさん)としてSeason2につながる重要な役割を果たしていました。というのも、米相場の値動きに頭を痛めていた冨永愛さん演じる吉宗が、

堂島米市場の様子(大阪歴史博物館

「何か思うところを申してみよ」と意見を求めたのに対し、龍は「農民から年貢を納めさせるだけでなく、商人からも納めさせるようにすればどうか」と申し述べました。実際「田沼時代」は米による年貢収入以外の税収を増やすことを推し進めていった時代といえます。商人たちが「株仲間」という同業者組合を推奨しその構成員に販売権の独占などの特権を与える一方、そこから「冥加金」を納めさせました。

また全国各地の鉱山開発、蝦夷地の開発計画等、これまでの幕府になかった「収入の多様化」に向けた大胆な政策を推し進めていきました。源内との関係は特に鉱山開発と物産開発(清や阿蘭陀に売れるもの)を期待して深まった仲だったと思われます。

田沼時代の話が続きます。