おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

いい富士 観たか 縁むすび5

駒込富士神社は元々別の場所にありました。創建は天正元年(1573)といいますから、徳川家康の入府前のことです。本郷村の名主の夢枕に木花咲耶姫が立ち、浅間神社を勧請したのが始まりでした。東大の赤門を入った右手の「椿山」という小山です。江戸時代になって、加賀藩前田家がその地に屋敷を建てるにあたり、いったん屋敷の外の本郷本富士町に浅間社を移しました。本郷三丁目駅の東側、春日通に面して富士浅間神社(本郷)がひっそりと残っています。

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本郷富士神社 社殿の中に鳥居がある不思議な形です

現在の住所は本郷七丁目ですが、元々の地名は「本富士町」といいました。その後駒込富士神社に合祀されましたが、その時期は寛永6年(1629)という記録もあるものの、実際のところは不詳だそうです。

この項の最初にご紹介した「富士塚」のHPは残っている富士塚の高さまで網羅していて、それによると駒込富士は高さ5M、身禄行者の墓も富士塚のような造りで、これも5Mの高さです。

次回は、東京の富士塚の中でもよく知られたものの一つで、都の有形民俗文化財の指定を受けている「千駄ヶ谷富士塚」をご紹介します。下の絵図にもあるように、登山口と下山口が作られた本格的なもので、現存しかつ、移転していない、という条件をくわえると富士塚としては都内で最古のものです。

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千駄ヶ谷富士絵図