おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

いい富士 観たか 縁むすび4

この項の題名は、「一富士、二鷹、三茄子」をもじったものですが、初夢に見ると縁起の良いものを表しています。享保18年(1733)に発刊された「悉皆世話字彙墨宝」(しっかい せわ じい ぼくほう)という節用集があります。節用集とは、用字・用語集と言い換えるとわかりやすいでしょうか。

その中に「駒込は 一富士二鷹 三茄子」という川柳が紹介されており、これは駒込富士神社にまつわる縁起物を詠んだものです。

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階段の上から下を臨む

「富士」は説明不要、「鷹」はこの周辺に鷹匠屋敷があったこと、「茄子」はこの辺りの名物、駒込茄子を指します。

駒込茄子」については、この神社の境内に案内板があって、これも写真に撮ったはずなのですが、今回載せようと探しましたが見つかりませんでした(><)

検索すると案内板の写真もでてきたので、そちらの文章から意訳すると、

・江戸に幕府が置かれ、人口が急増。米は貯蔵が効くので、全国から集積されるものの、新鮮な野菜はそういうわけにいかず、江戸近郊では野菜の栽培が盛んになった

駒込近辺も江戸の野菜供給基地として栄え、特に茄子はすぐれたものが取れ、「駒込茄子」として知られるようになった。

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駒込富士神社山上の奥宮

神社の山開きの縁日では、地元の駒込茄子が名物でしたが、現在では周辺の畑は住宅地となり、茄子も作られてはいないとのことです。

ご覧の通り、拝殿は富士塚の上に建てられていますが、前方後円墳の形状に似ていることから、元々古墳だったと言われています。

富士講ゆかりの地、駒込から富士塚のご紹介をスタートしました。次回も都内の富士塚をご紹介していきます。