ソメイヨシノが桜の主流となったのは明治時代以降で、それまでは花見の対象となっていたのはヤマザクラでした。吉野の千本桜も、徳川八代将軍が飛鳥山に植えたのもヤマザクラです。
ヤマザクラは野生種でそれぞれの個体ごとに性質が異なり、群生していてもソメイヨシノのように一斉に満開になることがありません。また樹が成長し花をつけるまでに早くて5年、長くて10年以上という時間がかかります。(このあたりは同じ野生種のエドヒガンと類似しています)エドヒガンとの違いは開花期に葉がない(花の散った後に葉が生い茂る)エドヒガン(葉がない=歯がないので「姥桜」の異名があります)に対して、葉芽(ようが、茎・葉となる芽のことをいいます)と花を同時に広げること。ヤマザクラは近くで見ると、花の間から赤茶けた葉芽をのぞかせるので、花の密度ではソメイヨシノにかないません。
千葉県の印西市に「吉高の大桜」という巨大な一本桜(ヤマザクラ)があるというので、見に行ってきました。桜の時期は、印旛中央公園に臨時駐車場が設けられ、そこから徒歩で向かいます。本日4月9日、午前8時に駐車場に着きましたが、すでに駐車場は8割方埋まっていました。
駐車場から同じ方法にぞろぞろと見物客が連なって歩いていきます。普段は車の通れる道が進入禁止になっています。それもそのはず、この土日、この地区では「桜祭り」が行われていました。ソメイヨシノの約一週間後に満開を迎え、しかも2~3日しか満開が続かない、ということで見物客も朝から集まって来られているようです。
のどかな田舎道、木々の間から遠目に桜が見えてきました。
結構距離があるにもかかわらず、大きく見え、期待がふくらみ足取りも軽くなります♪。明日はこの「吉高の大桜」近景をご紹介していきます。