おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

立てば餅焼く 座れば牡丹餅4

上野ぼたん園はこの時期、四月中旬~五月中旬に「春のぼたん祭」として公開されます。ぼたん園のみの見学もできますが、上野東照宮をご覧になっていらっしゃらない方には、東照宮・ぼたん園のセット券をお薦めします。

さすがに日光東照宮の規模には及びませんが、贅を尽くされた社殿や、参道の左右に石灯篭・銅灯篭が奉納されています。奉納された石灯籠は約280基、銅灯篭は約50基が奉納されているとのこと。それらに刻まれた大名の名前を見るだけでも戦国大名・江戸初期の大名マニアには楽しいと思います。

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東照宮参道の銅灯篭

藤堂高虎や加賀の前田家、尾張紀州・水戸の御三家の名前を見ることが出来、当時の大名が先を争って奉納したのかと思うと、この時期(家光の時代)の幕府の権力がいかに強大であったのかが想像できます。

ぼたん園の話に戻ります。東照宮の一角に昭和時代に作られたぼたん園ですので、立地は限られて、決して広くはないものの、この時期には110もの品種、約600株が栽培され、牡丹の間を巡りながら庭園と遠景の五重塔を鑑賞できます。

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ぼたんに和傘などの演出がいい感じです

さきほど、「この時期には」と表現したのは、一月~二月中旬にも「冬ぼたん」を公開しているからです。その時期はちょっと小規模で、40品種150株を鑑賞することが出来るそうです。(冬ぼたんの時期には訪れたことはありません)

他の園芸植物と同様、牡丹も江戸時代に大いに品種改良により、新しい品種が生み出されました。二代将軍秀忠は椿と牡丹を好み、江戸の庶民にはそれより遅れて元禄時代に牡丹のブームがあったようです。絢爛豪華なイメージの元禄文化に、大輪の牡丹はもれはやされたのは、いかにも、という感じがします。

東照宮の牡丹園については以上です。次回以降も都内の牡丹名所をご紹介していきます。