おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

後悔、鷺に立たず2

他の側室たちばかりでなく、頼康にまで疎遠にされた常盤、身の置き所のない気分だったことでしょう。(側室として入っているわけですから、常盤がいるのは世田谷城です)

常盤は、幼いころから白鷺を飼っており、輿入れにも連れてきていました。いわれのない讒言にいたたまれない日々、この愛鳥が唯一の話し相手だったのかもしれません。

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水元公園で撮りましたが、鷺であっているでしょうか?

頼康が狩りに出かけたある日、常盤は手紙を白鷺の足に結び付け、奥沢城に向けて飛び立たせます。常盤は辛さのあまり、自ら死を選ぶことを決意し、両親に自らの潔白を書きつけて、遺書として愛鳥を差し向けたのでした。

羽根を拡げ奥沢城を目指す白鷺ですが、狩りの途中の頼康の目に入ります。常盤の鷺とは知らぬ頼康は、狩りの獲物と思い矢で撃ち落としてしまいます。

鷺を得た頼康は、足に結び付けられた文を見つけ、さらに中を読んで愕然とします。急いで世田谷城に戻りますが、常盤は自害して果てた後でした。

白鷺の死んだ地に草が生え、やがて白鷺に似た花が咲きました。この草は「鷺草」です。

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鷺草の白い花

このブログはこれまで行って自分で撮った写真を掲載していますが、鷺草の花の写真はありませんでしたので、先輩のご厚意で掲載しています。感謝いたします。

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鷺草 二羽の鷺のようですね

鷺草伝説、お話は以上ですが、次回からは九品仏浄真寺や豪徳寺の周辺を紹介していきます。