ようこそのお運び厚く御礼申し上げます。稲荷神社はご存じの通り狛犬ならぬ狛狐が入口に祀られていますが、「狐と狸の化かし合い」「狐七化け狸は八化け」などと、何かにつけ対比される狸ですが、稲荷神社のようにそこかしこに祀られているわけではないようです。
なんとなく狐は女性に、狸は男性に化けるイメージがあるのは私だけでしょうか?(単に狸おやじの言葉のイメージがあるだけかもしれませんが)
日本三大狸話というのがあり、
「文福茶釜」「証城寺の狸ばやし」「松山騒動八百八狸物語」がそれにあたるのですが、最後のお話は四国松山なので、この稿は最初の二つについて取り上げ、ゆかりの場所をご紹介してきます。
まずは「文福茶釜」で知られる茂林寺です。東部伊勢崎線の茂林寺駅から、茂林寺までの道々、お話をパネルで順番に紹介してくれています。
上野国舘林の茂林寺の和尚さんが、古道具屋で茶釜を買ってお寺に持ち帰ります。和尚さんは、立派な茶釜を眺めながら、「この茶釜でお茶をたてたら、皆びっくりする事だろう」と想像しながら、居眠りをしてしまいました。
眠っている和尚さんのそばで、茶釜から頭と手足が生え、部屋の中を動き回ります。何やら音がするので、小僧さんが和尚さんの部屋を覗いてみて、驚いて声を上げます。
「うわっ!茶釜が化けた!和尚さま、大変でございます」和尚さんは目を覚まして「騒がしいのう、どうしたのじゃ?」「茶釜に足が生えて歩いております!」
良く知られたお話とは思いますが、この続きは次回に