おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

藁う松には虫来る2

今では効果の程が疑問視される「菰巻き」ですが、「雪吊り」と同じく冬の庭園を彩る風物詩的な意味合いで続けられているのかも知れません。
なお、六義園清澄庭園では、飾り結びの「梅結び」が施された「菰巻き」を目にすることができます。明らかに結び方が異なるので、少し注意して見て回れば見つけられると思います。

六義園の菰巻き(梅結び

この「梅結び」、門松にも使われていて、実際に現物を用いる松と竹と共に「松竹梅」をあらわすのだとか。
「菰巻き」については以上なのですが、菰(藁)つながりで、庭園の防寒対策の風景をご紹介します。
4年前、降雪のあった日に向島百花園を訪れた際、「春の七草」が植えられた場所に雪除けの屋根(?)が設けられていました。元から設えていたものなのか、雪が降り始めてからとっさに作ったのかはわかいませんでしたが、簀子が4本の竹の柱で支えられ、つつましく置かれた様を微笑ましく感じたのを覚えています。

向島百花園で見た雪除けの屋根

先日訪れた芝離宮庭園では、「雪囲い」が設けられているのを目にしました。こちらはいかにも見せるためにしつらえた感が満載ですが、冬らしい雰囲気は伝わってきます。

風と雪を除ける「雪囲い」(芝離宮公園)

一見藁人形か何かオブジェかと思われるものもありました。
蘇鉄(ソテツ)など温暖な地域(亜熱帯といった方が良いかも)から日本に伝わった植物は寒さに弱いことから、冬を越すためにこのような防寒対策がとられるそうです。

藁人形?いきなり目にすると異様な感じです

「霜除け」と呼ばれるもので、正に見たまんま、ぐるぐる巻にしてしまいます。頂点の部分に「藁ボッチ」をかぶせているので、笠をかぶった藁人形のようにも見えます。

「雪吊り」だけでなく、庭園に冬にしか見られない人工的な装飾が見られるのが晩秋から3月初頭くらいまで。他の季節に比べ、人も少ないので落ち着いて庭園を鑑賞できるかも知れません。

話が「松」から離れてしまいましたが、次回からまた「松」の話に戻ります。