おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

はんじょう 頼んまっせ 天(地)神 揃う6

wikipediaの「天満天神繁昌亭」の記載を見ると、繁昌亭の敷地面積は591.06㎡とありますから、約179坪。分譲住宅が5,6軒は建つでしょうか。シャッターの閉まった商店一棟をイメージしていた三枝会長からすると「何も建ってない時の広さは、自分の思い描いていた劇場の広さをはるかに超えていた」と思ったのも無理はありません。

土居会長が寺井宮司の想いを三枝会長に伝えます。

宮司さんは、駐車場代で儲けようとは思ってはりませんねん。商店街の、この界隈の活性化につながることやったら、ここに寄席を作ってもらってもええと」

が、三枝会長の頭をよぎったのは「用地があっても、上物を建てる資金がない」ということでした。

繁昌亭 この写真の写っていない右側に昨日掲載のの鳥居が立っています

この悩みをすぐ土居会長に打ち明けます。土居会長から返ってきた答えは

「寄付、集めたらどないでっか」

後日、土居会長と懇意の建築家さんの「一億あれば建つ」という寄席の模型を見て

「これでは寄席というイメージに合わない。また、この場所に建てるのであれば天満宮の景観を損ねない、寄席の情緒のあるものでないと」

と考えた三枝会長はその建築案を却下し、東京にある寄席も参考にして建物のデザインを考えていくことにしました。

さて、建築資金です。三枝会長以下協会の噺家たちはテレビやラジオに出演するたびに定席小屋への悲願を語り、一口一万円からの募金を募ります。その際、

「募金いただいた方のお名前を、提灯にして寄席の内外に吊るします」

という告知を行いました。現在であればクラウドファンディングで提示されるような特典ですが、当時は大いに話題になったようです。また天神橋筋商店街でも数百本ののぼりを立てて、募金の告知に努めました。

その結果、予想以上の金額が集まり、なんと約2億4000万円の建設費用を全て寄付でまかなうことができたのでした。

ついに念願の寄席の建設が始まります。