おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

ハマの大将軍

東京汐留にある浜離宮恩賜庭園、広さ25万㎡と都立公園としては最大の規模を誇ります。この庭園については過去徳川綱吉や吉宗のところで取り上げてきました。

しかし歴代将軍の中で最もこの庭園を愛用し、整備したのは家斉の代といえるでしょう。また、ほぼ今残される庭園の形も家斉の時代に形作られました。

浜離宮庭園 池の水は淡水ではなく海水です

家斉の時代に燕の茶屋、松の茶屋、藁葺の茶屋、御亭山腰掛、松原の腰掛、五番堀腰掛、浜の藁屋、新銭座東屋などが作られただけでなく、庭の造作も頻繁に修治していたようです。

江戸時代「浜御殿」と呼ばれたこの場所が、徳川将軍家の庭となったのは五代将軍綱吉からですが、家斉より前の将軍の御成り件数はというと、

綱吉:0回 家宣:7回 家継:0回 吉宗:4回 家重:0回 家治:19回

それが家斉は将軍としてだけで248回、御台所等大奥関係の御成りも49回と段違いに訪問件数が増えました。家斉と家慶、浜御殿で何を楽しんでいたかというと、主に「鷹狩り」による鴨猟でした。

現在でも庭園内に2つの「鴨場」が残されています。これは宮内庁が管轄する埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」と千葉県市川市にある「新浜鴨場」と併せて現存する数少ない「鴨場」にあたります。

浜離宮庭園内に残された「鴨場」の一部「小覗」

上の写真はその鴨場の一部「小覗き」と呼ばれる部分ですが、これが鷹狩りと鴨猟にどのように使われたのかについては、次回ご紹介したいと思います。