「遊女のにせ手紙」と題されたエピソードで、手塚良仙(手塚治虫先生の曽祖父にあたります)の失敗談が語られています。
この項は、適塾生がみな地方から出て大阪にいる間、武家のような恰好をしてみたがっていた、という風について述べた後に、「江戸から来ている手塚という書生があって」と紹介されます。フルネームで紹介されていないのは、諭吉にとって印象が薄
手塚良仙は、見栄えがする立派な
ある時福沢が、「真面目に勉強する気があるなら、
とはいえ、いつ約束を破るかもしれないので、「証文を書け」「ど
その内容というのが、「今後はきっと勉強する、もし約束を破った場合、坊主にされても構わない」というものでした。その後、良仙は約束を破ることなく、心を入れ替えたように勉強します。
福沢は年を取ってからはいざ知らず、若いころはいくつものやんちゃ話で自伝を盛り上げていますが、ここでも熱心に勉強を続ける良仙を、逆に面白くない、と考え、三人の塾生を仲間にして、良仙を罠にはめようとするのです。ここで表題の「遊女のにせ手紙」が登場するのですが・・・この続きは次回で。