「心柱」が未完成だったので、制振機能を発揮するための制振システムのオイルダンパーはまだ取り付けられていません。こうした時期に発生した地震に、スカイツリーが大きなダメージを受けることなく、点検確認後には工事を再開、三月十八日にはついに、完成時の高さである634Mに到達しました。
当初の竣工予定（この年の年末）より2ヶ月伸びることが発表されていますが、地震による資材納入の遅れによるもので、工事そのものに地震の影響がなかったことは、現場の技術力の高さを示したものといえます。
平成二十四年（2012）二月二十九日、スカイツリーは竣工、三月二日に竣工式を執り行いました。その年の三月十日は東京大空襲の六十七年後、十一日は、大震災の一年後にあたるため、追悼のライトアップを行っています。それ以降も季節やイベントに合わせたライトアップが行われていることはご存じのとおりです。
五月二十二日の開業後、八月一日には「天望デッキ」への来訪者は百万人を突破、令和三年（2021）十二月ニ十七日には四千万人にまで達しました。
東京タワーの足元部分は正方形になっていますが、スカイツリーは三角形でできていて、展望台の部分では円形への緩やかに変化しています。また、東京タワーの「反り」に対し、スカイツリーは伝統的日本建築などにみられる「反り」と「むくり」の双方を取り入れたデザインとなっています。
開業翌年の平成二十五年（2013）ツリー開業から一年少し経った五月三十一日、スカイツリーからNHK・在京民放キー局7局（TOKYO MX含む）のテレビ本放送が開始されました。これにより、現在東京タワーから発せられる電波はTOKYO FMとInterFM897のラジオ電波のみとなりました。
しかし、予備の送信施設は残されていて、スカイツリーに何らかの障害が発生した場合など、「最強の代打」として役割が与えられています。
以上、長々とラジオ・テレビ放送と、二つのタワーについてのお話は以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
