おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

ひえひえのあつあつ5

神社の名前は変わってしまいましたが、「山王祭」の名前以外に、平成九年(1997)に新駅として開業した「溜池山王」駅にも名前を残しています。もともと東京に「溜池山王」という地名ありません。新駅がちょうど港区と千代田区の境界線上にあったことで、港区は「溜池駅」を、千代田区は「山王下駅」を主張しました。

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「山王坂」の案内板 「溜池」についても説明があります

神社の西側に「溜池」があったということですが、このあたりに湧水がでており、その周りに堤を築いて水を溜めていたといいます。神田上水玉川上水の整備される以前の江戸の飲料水はこの溜池を水源としていました。

一方、日枝神社の参道入口そばの交差点は「山王下」交差点といい、旧都電の駅名や都バスのかつて存在した停留所名も「山王下」停留所でした。最終的に両区とも譲らず、結果両者の名前を取り入れた折衷案で新駅名が決まったわけですね。

山王坂の坂上には国会議事堂がが見え、議事堂のとんがり屋根は山王鳥居の山形と似ているような気がします。

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山王坂の突き当りにある国会議事堂

また、神社境内に目を向けると、参拝客で行列のできる拝殿の左右をよく見ると、ここにも神猿の像が祀られています。

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日枝神社境内の神猿像(左の牝猿・母子像)

本殿左の像が母猿が子猿を抱いている姿で子宝・安産や縁結びのご利益があるといわれています。一方右側は雄猿の像が祀られています。

京都・川越・江戸(東京)と、場所は変われどその場所を鎮めるために、また東京のど真ん中といっていい場所に祀られたお社の雰囲気はここだけが別の世界のような気分にさせてくれます。また、東京が坂の多い町であることも実感させてくれます。

山王・日枝神社のご紹介は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。