おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

象する吉宗3

前回ご紹介した「尼崎城址」の石碑から約400m南東に「中国街道大黒橋跡」という石碑が建っています。

中国街道大国橋跡 石碑

表面に大きく「この道筋は、江戸期、中国街道といわれ参勤交代の大名行列も通った街道である」と彫られています。その上に黒く図や文字が彫られているのですが、この部分を拡大すると・・

何やら象と思しき絵が彫られています

上に書かれた地図のようなものは、尼崎の城下町の地図、その左にお城の天守閣、さらにその下に象が描かれています。

その左に書かれた文章をそのままここに記します。(手抜きのようですが)

江戸時代八代将軍吉宗の時、中国の貿易商がが牡牝二頭の象を将軍に献上することがあった。牝像は残念ながら長崎上陸後に急死したが、牡一頭が長崎から江戸まで三五四里の道のりを73日かけて道中した。享保十四年(1729)三月十三日に長崎出立。山陽道中国道を通り、尼崎の城下へは四月十九日到着。別所村(現在の貴布祢神社付近)で一泊して江戸へ向かった。一行は象の背上に象使いが一人乗り、前後左右に侍がつき、その後に長崎から随行した十三人のほか尼崎藩の庄屋、村役人等が行列に加わった。当日は象が驚かないよう牛馬や犬猫は目につかない所につなぐ、社寺の鐘や太鼓、鍛冶屋、大工等の音をたてない、見物人は大声を出さない等の心得書が代官の名で出された。道には縄が張られ」、見物人は坐って象の行列を見た。

このように書かれていて、人々は街道に集まりながらも、坐ったまま言葉を交わさず、黙って象がのしのしと進んでいく様を見送ったようです。

この碑文の続きは次回で。(眼を凝らして写真を見れば続きは明らかですが・・)