今回ご紹介する富士塚は「音羽富士」、護国寺の境内にある富士塚です。
護国寺はまた改めて紹介したいと思っているので、詳しくは触れませんが、「他抜きつ抜かれつ」の項でご紹介した、五代将軍綱吉の生母、桂昌院の祈願寺です。富士塚は浅間神社を一緒に祀るので、神社の境内にあるのが普通ですが、都内で唯一お寺の境内にあるのがこの音羽富士だそうです。←と書いてある記事をいくつか見かけましたが、実際にはもう一つ、江戸川区にある安養寺にも富士塚があるようです。
仁王門を右奥へ進むと鳥居が見えます。広大な護国寺の境内は、奥に進むほど小高くなっていますが、その斜面をうまく利用した印象です。鳥居の手前には橋が設けられ、更にその手前に、「富士塚」と彫られた石碑があり、鳥居をくぐって先に進みます。
高さは7M、手すりがないため、これまでご紹介してきた富士塚に比べるとちょっと不安定です。勾配は最初は緩やかですが、上に登っていくほど険しくなっていきます。
頂上に見える浅間神社の祠を目指して進み、山頂に到着。この周辺には溶岩と思しき岩がゴロゴロあって、富士塚らしさが出ています。
この富士塚が築造された時期の詳細は不明ですが、「一合目」の石碑に刻まれた文化14年(1817)前後だと思われます。
護国寺の本堂や多宝塔なども見どころですが、そのあたりのご紹介はまたの機会に。