おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

そうだ、ライト行こう3

ちなみにこの邸宅は4階建てで、館内図は↓の通り。

最初の応接室にあった館内図 正面だと照明が映り込むためこの角度で

当然バリアフリーという思想のない時代なので、階段はあるものの階ごとの高低差があまりないので、階段での移動はそれほど苦にはなりません。

また、訪問者用にカーペットが敷いてあるのでぱっと見はわかりませんが、床・階段の部分にも大谷石が使用されています。

階段部分の写真 地の部分が大谷石であることがわかります

ちなみにライトは帝国ホテルの建設にあたり、大谷石入手を確実にするためか、ひと山丸々買い取ったほどで、この邸宅にもふんだんに使用されています。

上の写真の階段を右側に進むと廊下があり、右側に和室への入口が目に入ります。

和室入口 正面の部屋の左右に一部屋ずつ、三部屋が設けられています

ライトの建築にみられる幾何学的な装飾は和室においても使用されています。高低二段の天井はここでも使用され、欄間の部分には窓の部分と同じ装飾模様が連続して用いられています。

上の写真の左となりの部屋から和室三間を撮影したもの

模様は欄間だけでなく、床間のある部屋の開口部分にも設けられていて、ライトはこの邸宅の内部装飾にはこの「四葉のクローバー的」な模様を統一して使用しているのが印象に残ります。

和室にも通風用の窓を段差部分に設けます そして「四葉のクローバー」

ただ、個人的にはライトがいくら日本文化に造詣が深かったとはいえ、当初想定していなかった和室のデザインを一から設計するのは困難です。後を引き継いだ遠藤らが他の部屋のデザインと合わせるように苦心して作り上げたのではないかと思います。なのでライト設計の和室、というよりは、ライト設計の方向性を踏襲した和室、と考えた方が良さそうです。

この階(3階)にはこの和室の先に寝室等が配置されているのですが、それらについては次回で。