おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

そうだライト、行こう

邸宅の内部の前に、ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)のロケーションをご紹介します。

阪急神戸線「芦屋川」駅のすぐ横を芦屋川が流れますが、奥に六甲山を臨みますがその途中の緑に囲まれた一角、建物の一部がのぞいています。

芦屋川の線路沿いから 樹に囲まれた中に邸宅があります

上の写真の拡大が↓これ。

ライトはアメリカにおいても、自然と一体となる草原様式(プレイリースタイル)の住宅を提供してきましたが、その彼の言葉に「背景となる丘稜線に建物を建ててはいけない。常に山懐に点々と建物を建てて、自然と融和しなければならない。そして額にあたる部分に建てられた建物はキラキラと輝き、周辺の自然さえもが光彩を放つのだ」とあります。遠く日本の地においてもそれを実践したといえます。

駅から邸宅までは結構な坂道が続きますが、その坂の通称は「ライト坂」

登ってきた「ライト坂」を見下ろします 垣根の右が邸宅です

山あいに建っているため、その全景の写真をご紹介することができません。イメージとして邸内にあったペーパークラフト模型がこちら。

旧山邑邸全景イメージ 入口は写真右下端のあたり

模型でもわかる通り、一階部分は狭く、フロアに配されているのは玄関ホールとクロークのみ。すぐに二階に進む階段に続きます。

二階で最初に出迎えてくれる部屋が「応接室」「入口を狭くすることによって室内の広さを強調する」というライトの好んだ空間構成がここで使われています。

二階応接室 壁面の大谷石と照明の調和!

天井が高低差のある二重になっているのがお判りでしょうか。これは日本の寺院やお城でも使われる「折上げ式天井」の影響を受けているそうですが、低い天井によって建物の高さを抑え、高い天井によってより広く見せています。本来、日本の折上げ式天井は部屋の格式を示す造りですが、ライトはそれを実用的に使用しているといえるでしょう。また、段差の部分に小さな窓を数多く設けていますが、これは湿気の多い日本の気候に配慮して通風換気を担う意味を持つそうです。

この応接室、振り返ると最初の暖炉があるのですが・・続きは次回で。