おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

そうだ、ライト行こう 番外編 帝国ホテル記念展示に行こう3

ドラマは安田顕さんが片腕の煉瓦職人である久田を熱演されていました。彼の記事を書くように依頼された女性ライターが久田の実像(本当に詐欺師だったのか)に迫っていくのですが、その女性ライターを元五輪フィギュアスケーター村上佳菜子さんが演じています。(思ったよりちゃんと演技されています)

ドラマのご紹介はここまでにして、この煉瓦づくりには当時相当苦労したようで、最終的にホテル側が直営の「帝国ホテル煉瓦製作所」を設立、ライトが要求したスダレ煉瓦250万丁と「穴抜き煉瓦」(中空煉瓦)150万丁の計400万丁という膨大な数の煉瓦を製造しました。

装飾用に使われたテラコッタ(帝国ホテル展示)

その後、ライトから追加でオーダーを受けたテラコッタ、敷瓦(クリンカータイル)なども試行錯誤を重ねながらも制作、大正十年(1921)に「帝国ホテル煉瓦製作所」は製造を終えます。製造所の設備と従業員を譲り受けたのが、同社の技術顧問に就いていた伊奈初之丞(いな はつのじょう)でした。彼が創業した「伊奈製陶所」は伊奈製陶株式会社→INAXと名前を変え、現在はLIXILとして存続しています。

スダレ煉瓦の説明

ライト関係が多くを占める展示ではありますが、帝国ホテルの歴史を語る品々を見ることができます。

ホテル開業の際の渋沢栄一の答辞(東京府知事の祝辞に対するもの)

面白く感じたのが、「ホテル・ウエディング」が帝国ホテルから始まったサービスだった、ということ。帝国ホテル開業日=関東大震災により、多くの寺社仏閣が焼失してしまいました。これまで自宅や神社での婚礼が主であったことから、ホテル内に神社を設置、挙式と披露宴を一つのホテルで完結させるスタイルが誕生したのだそうです。(今では教会も設置していますね)

ホテルで行われた結婚式

真夏の時期に炎天下を散策するのは辛いですが、涼しいホテルの中で展示を見るのは実に快適ですよ。期間は8月末までだそうですので、お早めに。
次回は元の通常版「そうだ、ライト行こう」の続きです。