おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

もしも明日が羽仁ならば

同じライトの設計の中でも、自由学園明日館は学び舎であり、少し毛色が異なる気がしますが、基本的な理念を貫いた設計です。

まず外観。高さを抑え、横に広がったような姿は、帝国ホテルの正面とも共通します。

明日館模型 芝生の校庭を囲むデザインです

また内装でも、食堂や暖炉を中心に配置、天井や窓に幾何学的なデザインを用いたところは旧山邑邸とも共通しています。そして3つに共通するのは大谷石の内外装です。

明日館の暖炉

「名建築で昼食を」第二話(明日館の紹介回)のときに、ここの大谷石について、主演2人の間に興味深い会話がありました。建築模型士の植草千明(うえくさ ちあき)役で案内役を務める田口トモロヲさんと、一緒に名建築を巡る広告代理店社員(脱サラでカフェ開業を目指す)春野藤(はるの ふじ)役の池田エライザさんの会話です。

植「この大谷石、随所に使われているけど、購入したかどうかは定かじゃない。」

春「どういうことですか?」

植「大谷石は旧帝国ホテルでも随所に使われていた。設計は同じライト。ということは・・」

春「ということは・・。あっ!」

(少し沈黙 カメラは大谷石の柱アップ)

大谷石の柱を前に意味深なやりとりが・・

植「ま、真相は闇の中だけど・・」

春「なぁんだ」

ライトが帝国ホテルで購入した大谷石を流用(?)し、明日館の建築に使用した可能性があることを匂わせた会話です。

自由学園 大谷石 流用」などのキーワードで検索してみたものの、それらしい話はヒットせず、まさに「闇の中」なんですが、自由学園の成り立ちや、ライトの設計依頼の受諾の背景などを調べてみると、それもあったかも、と思わせるものがあります。

それらのお話については次回で。