おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

想いを寄席る

「ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます」ブログのテーマ替わりの最初に使っているこの文言は、平成十九年(2007)後半の連続テレビ小説ちりとてちん」のナレーションの上沼恵理子さんがその週の最初の回の冒頭に発する言葉を使っています。

再放送されないものか(私はNHKオンデマンドでくり返し見ています)と、「ちりとてちん 再放送」で検索すると、残念ながら現時点でその予定は無いようですが、「大阪在住者が選ぶ再放送してほしい2000年代の朝ドラ」の最新版でトップでした。

ちりとてちん」の舞台 大阪天満宮

ちなみにベスト5とその得票率は

ちりとてちん(2007)21.3%

ちゅらさん(2001)17.0%

まんてん(2002)14.9%

④だんだん(2008)12.8%

⑤オードリー(2000)10.6% 

「大阪在住者が選ぶ」「2000年代の」というツッコミどころ満載のアンケートではあるにせよ、2位に4.3%という結構大きな差をつけています。

放送時の視聴率はあまり良くなく、大阪制作のドラマで最低の数字(当時)だったようです。しかし2019年に放送された「朝ドラ100作 ファン感謝祭」の歴代朝ドラ名シーンランキング第1位には「ちりとてちん」第42回が選ばれています。

小浜の塗箸職人の娘が故郷の小浜を出て大阪で女流落語家を目指すストーリーなのですが、貫地谷しほりさんが演じるこのヒロイン、「後ろ向きで心配性のヘタレ」という当時の朝ドラにあるまじきヒロインです。(後の「あまちゃん」のヒロインに通じるものがあります)

上方落語の舞台設営(ワッハ上方展示)

「塗箸」と「落語」という題材から「伝統の継承」というテーマを一貫して描いていき、緻密な伏線が張り巡らされ、視聴者は何度も泣き笑いを繰り返す傑作なのですが、この稿ではこのドラマの魅力と上方落語について触れていきたいと思います。