主人公の和田喜代美(わだ きよみ :貫地谷しほりさん)は、同級生で同名、才色兼備の和田清海(わだ きよみ :佐藤めぐみさん)にコンプレックスを抱き続ける少女時代を送りました。何しろ周囲の友達は、二人を「紛らわしい」と、人気者の清美をA子(えーこ)、出来の悪い喜代美をB子(びーこ)と呼ぶのです。
暗い小中高の時代を経て、高校を卒業したB子・喜代美はこれまでの脇役人生を変えようと、高校卒業後可愛がってくれた祖父の形見、落語のテープと一緒に単身で大阪に出ます。大阪天満宮のそばに住む落語の師匠、徒然亭草若(つれづれてい そうじゃく:渡瀬恒彦さん)と出会い、草若の家の離れに下宿するようになります。草若の下にはこわもての弟子、草々(そうそう:青木崇高さん)も同居しているのですが、この師弟、いろいろと問題を抱えていて・・、というのが三週目くらいまでの流れです。
さて、「上方落語」とは京都・大阪といった、江戸時代に「上方」と呼ばれた地域で演じられる落語を総称していいます。それに対して東京で演じられる落語は「江戸落語」と呼ばれます。同じ内容の噺がもう一方に伝わり(「移植される」、ともいいます)、異なる題名で演じられることがあります。
演者の舞台を見ると、江戸落語か上方落語なのか、だいたいの見当がつきます。
江戸落語は、演者は着物姿で扇子と手ぬぐいを持ち、座布団に座って演じます。演者との間には何もありませんが、上方落語の場合、「膝隠」「見台」が置かれます。
そのため、ぱっと見たところ講談のようにも見えるのですが、上方落語がこうした小道具を用いるのには、そのルーツに要因があるようです。その要因については次回で。