おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

想いを寄席る8

三年前の一門会の日、草若は妻、志保(藤吉久美子さん)の病状を入院中の病院の主治医から告げられます。

「奥様はもってあと三か月、そう覚悟していただいた方が・・」

ショックを隠しながら病室に妻を見舞う草若、今日の演目を「愛宕山」であることを告げ、「はよ元気になってくれ、ほな、行くわ」と病室を後にします。

病室を出た後、橋の上から川を眺める草若師匠の後ろ姿が映し出されます。

橋の上から川を眺める草若師匠の姿・・(同じ川ですがそのシーンの場所ではありません)

菊江はその直後志保を見舞います。志保は自分が余命いくばくもないことを告げ、「師匠の様子がおかしかったんや、もしかしたら知ってしもうたかもわかれへん」

一門会の会場には太鼓が打ち鳴らされ、お客さんが会場に入っていきます。師匠の姿が見えず狼狽する弟子たちと、会場を目の前にしながら足を止め背を向けて去っていく草若師匠・・

去っていく草若の背中を目撃した菊江はそのことを志保に告げます。

「身内の不幸まで笑いに変えるのが芸人、本当のことを弟子、特に息子には知られたくないと思う」

と言われた菊江は三年間ずっとこのことを口に出さずに心にしまっていたのですが、「志保さんごめん、とうとうほんまのこと言うてしもた・・」

小草若が母の墓前に参ると、すでにかすみ草が手向けていました。父草若が生前妻が好きだった花を供えていたのです。何かを決心したような表情の小草若・・。

草々らのところにやってきた小草若は落語会のチラシを手に取るや、破り捨てると言い放ちます。

「作り直せ、出演は徒然亭草原、徒然亭草々、徒然亭四草、徒然亭・・小草若や・・」

弟子四人全員の落語会になった瞬間でした。チラシには小草若の名前が追加(手書きで)され、四草は微笑みを浮かべながら新たなチラシを「寝床」の看板に張り替えますが、戻ってくると出番のことでまたもめています。

元々は「寿限無」しか持ちネタの無い小草若の代わりに前座で出た後、四草、草若が一席ずつ演じた後、再度草々がトリで「愛宕山」を演じる予定だったのですが、小草若が「俺がいっちゃん売れてるんやから、トリを取らせろ」というのです。揉める小草若と草々の間に、兄弟子の草原が間に入り、

「小草若、トリで出ぇ。その代わり演目は『愛宕山』や」

寿限無だけですか・」と嘆く草々と、いきなりの大ネタを任された困惑の小草若、いよいよ落語会の日、12月14日がやってきました。続きは次回で。